敵は競合他社だけじゃない! つい見逃してしまう競合とは?(1/3 ページ)

» 2012年10月02日 08時00分 公開
[荻野永策,Business Media 誠]
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著者プロフィール

荻野永策(おぎの・えいさく)

株式会社ALUHA社長。Javaプログラミングができるマーケティング、営業戦略コンサルタント。1979年兵庫県西脇市生まれ。金沢工業大学でJavaを用いたソフトウェア加工学を学び、2001年情報処理学会北陸支部優秀学生賞を受賞。大学院を経てALUHAを起業。


 今回のコラムは、差別化戦略を立案するときに、重要な「競合」についてです。「あなたの会社の競合はどこですか?」と聞かれたら、ついつい同じ地域にいる同業他社を競合と言ってしまいがちです。これは自分目線(あなた目線)による競合であって、間違っているわけではありません。

 しかし、たった1つだけ、忘れてしまいがちな競合がいることにお気付きでしょうか? その競合とは「顧客が今使っている商品」です。「え? どういうこと?」と思ったあなた、忘れている可能性があります。「今使っている商品が競合? それはない」という方は、商材や業種によるのでその通りかもしれませんね。

なぜ「顧客が今使っている商品」が競合になるのか?

 具体的に考えてみましょう。あなたが今、賃貸アパートに夫婦と子どもで住んでいるとします。子どもが大きくなってきたので、新築一戸建てを購入すると決めた時、住宅の選定基準は「今のアパートでのライフスタイル」が中心になっていくと思います。

 例えば、「住宅ローンは家賃以下で組みたい」などです。その証拠に、ハウスメーカーの中には「家賃と同額程度の住宅ローン」や場合によっては「家賃より安い住宅ローン」というアピールをしている会社もあるようです。このほかにも、「今の住宅、子育てでこういうところが不便なので、こういう風にしてほしい」というようにハウスメーカーに注文すると思います。

 このような例を考えても、今の生活が選定基準になっていると考えられます。つまり、「今使っている商品(例だと今住んでいる住宅)と比較して、新しく購入しようとしている商品はどうなのか?」を考えているということですね。「今使っている商品」よりも「良い商品」でなければ、「新しく購入する意味」がありません。だからこそ、「今使っている商品」は競合になりえます。当然、今よりひどくなる場合は、売れるはずもありません。ある意味では当たり前のことでもあります。

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