松井:日本は、大学を卒業して就職してしまえば、自分を再教育する場がほとんどありません。オンラインスクールも少ないですし。私は保育園の運営を始める前に、幼児教育の勉強をしたいなあと思って、夜間大学に通っていました。しかし日本では働きながら学ぶことが難しい。
あと、私は長く管理職をやっていたので、プログラミングの現場から離れていました。ちょっと最近のプログラミング手法を学びたいと思ってオンライン大学で勉強しました。こうした勉強はものすごく大切で、次のビジネスを始める前の準備にもなるんですね。でも、日本ではこうした準備をすることが難しい。
佐々木:これまであまり必要としていませんでしたからね。
松井:ニーズがなかった。
佐々木:でも、これからはだんだん、進んでいくのではないでしょうか。そうしたニーズが増えていけば、新しいビジネスが生まれてくるのはず。つまり、循環していくことが大切なんですね。
(終わり)
佐々木俊尚(ささき・としなお)
作家・ジャーナリスト。
1961年兵庫県生まれ。愛知県立岡崎高校卒、早稲田大政経学部政治学科中退。毎日新聞社、月刊アスキー編集部を経て2003年に独立し、IT・メディア分野を中心に取材・執筆している。『「当事者」の時代』(光文社新書)『キュレーションの時代』(ちくま新書)『電子書籍の衝撃』(ディスカヴァー21)など著書多数。総務省情報通信審議会新事業創出戦略委員会委員、情報通信白書編集委員。
松井博(まつい・ひろし)
神奈川県出身。沖電気工業株式会社、アップルジャパン株式会社を経て、2002年に米国アップル本社の開発本部に移籍。iPodやマッキントッシュなどのハードウエア製品の品質保証部のシニアマネージャーとして勤務。2009年に同社退職。ブログ「まつひろのガレージライフ」が好評を博し、著書『僕がアップルで学んだこと』(アスキー新書)を出版。現在は2冊目の『私設帝国の時代』(仮題)を執筆中。twitterアカウントは「@Matsuhiro」
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