――TwitterやFacebookなど、ソーシャルサービスと馴染みやすいような導線が張られていますね。
加藤 cakesのコンテンツは有料記事が多いのですが、有料記事でも、30分や1時間など(著者が)決めた時間内だけ無料で限定公開できる仕組みを入れています。著者の方がTwitterなどで記事紹介をしたとき、有料だと、記事の途中までしか読むことができません。これでは、せっかく見に来ていただいた方に不快な思いをさせてしまうことになります。せっかく書いたので紹介しようと思っても、つぶやけばつぶやくほど読み手の不満が溜まる、ということになりかねません。
著者が気持ちよくつぶやけて、周囲にいるファンの方も記事を見に来られる。そういう仕組みを提供しています。著者の方にも多く使っていただけています。
――始まって約2週間が経とうとしていますが、ユーザー登録数やPVはどれくらいですか?
加藤 おかげさまで、予想以上に多くのかたに登録いただいています。いままさに増えていっているところなので、人数を発表するのはもう少し控えさせていただきますが、感触はとてもいいです。
――cakesのターゲットユーザーは、どういった人たちを想定していますか? 書き手の顔ぶれを見ると、20〜30代くらいの読者層、しかもネットへの親和性が高い人たちを狙っているように見えます。
加藤 プラットフォームなので、究極的には、特定のターゲットがなくなるのが望ましいのかなと思っています。いくつかのご参加いただける出版社のコンテンツを掲載したり、あるいはぼくの個人的な知り合いを中心に声をかけて、自前でコンテンツをつくるということをしています。cakesというプラットフォームの上で、ぼくのメディアだったり、出版社のメディアが展開されているという状態です。ぼくのメディア部分のターゲットは、20代から30代、上は40代くらいまでをカバーするという形になると思っています。
コンセプトは、「明るく楽しいサバイバル」といったところでしょうか。『もしドラ』なんかもそうなんですが、楽しくて役に立つものが好きですね。
――書き手の方はWeb系の人が多いなという印象です。
加藤 これも自然とこうなったという感じです。いろんな人がいるんですが、自然な感じでこうなりましたね。
今後はいろんな作家さんなども入ってきます。これは雑誌を作るときに似てますが、いろんなひとが混じると面白いと思うんですよ。具体的には3種類の人がいたらいいかなと思っていて、ひとつ目はいわゆる大物の人です。次に、ネットなどでとくにエッジの立った人です。例えば、やまもといちろうさんがそうですね。Twitterのフォロワーが2万人から5万人くらいの「強いニッチ」な人がたくさん集まるのが、Webと相性がいいように思います。あとは、まったくの新人です。そんなに有名じゃないけれどもすごく面白い人が、cakesで売れていくという感じがいいなと。ぼくはダイヤモンド社で本を作っていたときも、担当した人の多くは、初めて本を出す人だったんですよね。まさに『もしドラ』もそうですし。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング