司法書士事務所を開設し、さまざまなヤミ金被害者、ヤミ金業者に対応しているロイズ司法書士事務所(都内港区)の高田恭秀司法書士だ。
高田氏はヤミ金業の増減について、こう前置きする。
「ヤミ金業が総量規制の後、増えているのか減っているのかは私の知る限りでは公式データはないと思っている。増えている感覚もないし減っている感覚もない。しかし……」。
高田氏に言わせると、ロイズ司法書士事務所には、以前から断片的にヤミ金被害者が相談にきたものに対応し、解決の道を探ってきたという。
しかし、2010年7月ごろからWebサイトで「ヤミ金解決」をアップしたところ、その被害者相談が、それまではひと月10件台であったものが一気に増加、2010年8月には118件になり、以降、多少の増減はあるものの、毎月100件台となった。2011年になると3月に200件を突破、2011年の8月はこれまで最高のひと月222件まで増えた。この多くを解決に導いているという。
ヤミ金がなくならない背景としては高田司法書士は「複合的背景があると思うが、根本的にはリーマンショックや円高など経済環境の悪化で庶民の収入が減っているのが最大の原因だと思う」と指摘する。
そして、他の業務と兼ねながらどうしてヤミ金対処をWebサイト上にアップしたかというと「被害者は警察や相談センターなどに最初に駆け込むが、そこでアドバイスされるのはたいてい『ヤミ金は違法だから返さなくていい。放っておけばいい』ということ。しかし、ヤミ金の問題は、そんなことでは絶対に解決しない。彼らも命がけだから回収はしつこく徹底している。そのため利用者、本人が追い詰められるばかりか、やがて家族や周囲まで追い詰められる。そして、その最大の被害者は主婦が多い。それも遊興費というより日常の生活費を借りて追い詰められる。我々もヤミ金と対峙するのはものすごいエネルギーがいる。それでもウチは業務の柱にしているのは、ごく普通の主婦が窮地に追い詰められていくのを見過ごせないからだ」という。
高田氏に言わせると今、ヤミ金の平均的な貸付額・期間・利息は2万5000円で、1週間で5割だという。利子だけで1週間で1万2500円だ。ヤミ金の人たちからするとベストの形は1週間ジャンプし2週間めで元金含め5万円回収、倍回収できるのがベターな形らしい。しかし、2万5000円を借りてアッというまに10万円、20万円になるケースもけして珍しいことではないという。
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