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» 2012年09月21日 08時00分 UPDATE

古田雄介の死とインターネット:有料サービスは死亡した会員をどうやって知り、どう処理する? (2/3)

[古田雄介,Business Media 誠]

遺族による承継・譲渡が可能なサービスが増えている

 さて、会員の死亡が発覚した時、ISPやレンタルサーバー事業者はどうするか。

 まずは未回収の代金について。さくらのレンタルサーバやpaperboy&co.が提供するロリポップ!のような先払い制のサービスを除くと、原則としては、発覚した時点で法定相続人が支払うことになる。解約手続きも相続放棄も行わないままだと、延々と督促状が送られることになるが、「連絡が入った月の利用履歴などを確認の上、柔軟な対応を行います」(So-net/ソネットエンタテインメント)など、遺族と連絡を取り合う中でケースバイケースの対応をしてくれるサービスも少なくない。また、「未回収料金が支払い期限から60日過ぎた場合は、解約となるようになっております」(OCN、Bizホスティング メール&ウェブ/NTTコミュニケーションズ)のように、明確な取り決めを設けているところもある。

 その後の契約については、事業者によって対応が分かれる。遺族による解約解除に対応するのはどこでも同じだが、最近は故人の契約を遺族が引き継げるサービスが増加中だ。さくらインターネットやOCN、Bizホスティング メール&ウェブなど、以前から遺族による承継の選択肢を提示しているサービスに加え、2009年に利用規約を改定して対応したDTIの接続サービスと同社のクラウドサービス「ServersMan@VPS」、2011年に契約者の承継・譲渡手続きを開始したSo-netなど、ここ数年で新たに対応する動きが複数みられる。

 ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)は「ご遺族の要望を聴取して改定しました。ご家族に限り、亡くなった方の登録名を必要な手続きを経て、承継先のお名前に変更します。その後は、サーバからダウンロード済みコンテンツなどは設定状況によりますが、IDとパスワードで確認・処理できる範囲のものは閲覧したり操作したりできるようになります」と解説する。ただし、DTIのフレッツプランやIP電話サービスは、回線事業者側が契約承継を認めていないため対応外となる。サービスのすべてが同社で完結している場合なら、問題なく引き継げるというわけだ。過去1年は月平均19.3件の処理を行ってきたという。

 ソネットエンタテインメントも「以前よりお客さまから、さまざまな事情で、契約を引き継ぐ必要があるとの声をいただいており、そのご要望に応えて開始しました」と、利用者の声からの取り組みだと語る。現在、承継するケースは月100件程度だという。

 なお、契約の「承継」は会員が死亡した際に契約を引き継ぐことを指す。名義変更などで契約した権利を譲る「譲渡」とは区別されるので、利用規約を確認する際は注意したい。

ah_huruta2.jpg So-netの会員サポートページ。契約の承継・譲渡手続きについて解説しており、届出用紙をダウンロードできる

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