アメリカ政府はウソをついているのか ビンラディン殺害の真実伊吹太歩の世界の歩き方(4/4 ページ)

» 2012年09月20日 08時00分 公開
[伊吹太歩,Business Media 誠]
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 ちなみに右派系として知られる米FOXニュースは、オーエンの実名を公表した。彼が実際に作戦に参加した隊員であることは、彼が秘匿条項にサインしていることを公表した国防総省が図らずも認めている。つまり嫌がらせ以外の何ものでもない。著者の暴露は命に関わる。海外のイスラム過激派から標的になる可能性もある。実際に、あるイスラム過激派組織はすでに、ネット上でオーエンの殺害を宣言している。

 オーエンはこの本の利益のほとんどは、戦闘で命を落とした兵士の遺族のために寄付すると公表している。本の出版は「公務」であると。

 また、オーエンは「衝撃的」な暴露をしている。彼は邸宅の3階で殺害したビンラディンと思われる男性の顔を撮影したと証言しているのだ。現場で血まみれで横たわる男性の顔に水をかけて血を洗い流し、ベッドのシーツで顔を軽く拭き、その顔を写真に収めたのだ。ただ今のところその写真を公表するつもりはないようだ。

 今回の本で明らかになったように、米政府の公式発表が信用できないことは言うまでもない。いまだにビンラディンの殺害そのものを世界中の多くの専門家などが疑問視しているが、死体の顔写真が出れば、それが本当にビンラディンなのかどうかの重要な判断材料になる。

 そして再び、その写真から米政府の公式発表の嘘がばれないといいのだが。

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