「休みやすい会社」と「休みにくい会社」――どんな特徴があるの?これからのことがよく分かるコラム(1/5 ページ)

» 2012年09月19日 08時01分 公開
[加藤史子,Business Media 誠]

著者プロフィール:

加藤史子(かとう・ふみこ)

(株)リクルート じゃらんリサーチセンター研究員。国内旅行市場動向の調査・トレンドの把握、市場活性化および観光による地域振興に寄与する実証事業を実施・研究。

主な事業・テーマとして「乳児連れ家族旅行促進による需要創出」「携帯ゲームと融合した新・若者旅行」「働く人の"休暇"意識調査」「平日需要創出・旅行需要平準化」「フリーミアムモデルによる雪山活性化、19歳は全国89か所のスキー場でリフト券無料(雪マジ!19)」「GPS・位置情報を活用した次世代観光地分析」など、新たな視点で国内旅行市場をより活性化していくことに挑戦。


 「会社を休んで、旅行をしないかって?」

 「うーん、ウチの会社って休みづらいんだよねえ……」

 いきなり暗いトーンで始めたが、「分かる、分かる、ウチも同じだよ」と感じているビジネスパーソンも多いのではないだろうか。

 なぜ自分の会社は休みにくいのか……と嘆いてばかりいても仕方がないので、「休みやすい会社」と「休みにくい会社」に何らかの共通項があるのかどうか、調べてみた。

 まず日本企業全体の有給休暇取得率を見てみよう。ここ10年、50%を切る水準で、いわゆる“低値安定・低空飛行”が続いている。

年次有給休暇取得率の推移

 とはいえ「休みやすい会社」と「休みにくい会社」がある。下の図を見ていただきたい。従業員数が多いほど有給取得率が高く、従業員数が少なければ低い。

 また業種でも、休みやすい業種と休みにくい業種があるようだ。休みやすい業種では「電気・ガス・熱供給・水道業」などインフラ系。取得率は8割近くに達していて、突出して高い。

 一方、休みにくい業種では「飲食店・宿泊業」「卸売・小売業」。休日こそが稼ぎ時といった業種は、休みづらい様子だ。

企業規模別・業種別の年次有給休暇取得率(出典:厚生労働省「労働条件総合調査」〈平成21年〉)

 この結果を見ると企業規模や業種によっては、休みやすい環境はあきらめざるを得ないような印象も受ける。しかしさらに調べてみると、企業規模以上に、休みやすさに影響を与える因子が見つかった。

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