会社で仕事ができる人は、どんなタイプが多いのか佐々木俊尚×松井博 グローバル化と幸福の怪しい関係(5)(2/4 ページ)

» 2012年09月14日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

優秀な学生とそうでない学生

佐々木俊尚氏

佐々木:私のところにも、高校生や大学生が会いに来ます。「ジャーナリストになるにはどうすればいいですか?」といった感じで。こうした行動は、自分が学生のときには考えられなかったこと。プロのジャーナリストに会いに行くなんて想像もしませんでした。でも今ではTwitterやFacebookなどを使えば、「会ってもらえますか?」とお願いすることはできます。昔に比べ、人に会うことのハードルがかなり下がりましたよね。

松井:私のところにもメールが来ます。「アップルに就職するには、どうすればいいですか?」といった内容が。でも、そんなのは分かりません(笑)。「アップルに入るのは大変だと思うし、入ってからはもっと大変」といったアドバイスしかできないんですよ(笑)。

 そうした質問をする人は、自分の情報を書いていないんですね。例えばどこの大学に通っているとか。人に話を聞くのであれば、もう少し情報をくれればいいのになあと思いますね。

佐々木:もちろんヘンな人もいると思うのですが、松井さんに話を聞こうと思って連絡をとる学生は、優秀な人が多いのではないでしょうか。少なくとも「連絡をとろう」と思って、それを行動にうつした。そうした“やる気”は感じられますよね。

 そのように考えれば、最近の若者の間では二極化が進んでいるのかもしれません。優秀な学生はかなり優秀、そうではない学生はかなりダメ――といった感じで。

松井:なるほど。

佐々木:「儲けるのはけしからん」といった古い考え方をしている学生がいる一方で、「お金を儲けて社会にも還元して、自分もハッピーになろう」といった学生がいる。この両者は、かなり極端ですよね。

 かなり時代は変わったなあと思う一方で、いまだに悪い意味での日本文化が残っているなあと感じる部分もあるんですよ。例えば、ある学生が「○○をしよう!」と思って行動にうつそうとすれば、反対する人が出てくる。「全員の足並みがそろっていないんだから、突出するのはよくないよ」といった感じで。

松井:袋だたきにされるのですね。

佐々木:そうなんです。「突出するのはよくないよ」と言いたがる学生はかなりいますね。

松井:佐々木さんはヒドイ経験をされたのではないでしょうか(笑)。

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