さて、理髪店に限らず、私たち消費者はあらゆる場面で、「評価」や「意思決定」を楽にすばやく行なうため、「シグナル」を利用しています。
例えば、有名ブランドの「ロゴマーク」もシグナルの1つ。私たちは、どれを選んでいいか分からない時、「ロゴマーク」で選択することが多いものです。
有名ブランドは「品質」や「安全性」などが、まず大丈夫であるということが、過去の経験(本人、他人の経験や伝聞含む)から分かっています(そのように学習済みです)。
だから、有名ブランドのロゴマークは、「購入してもまず失敗しない商品」というシグナルとして機能しているわけです。
また、思わぬものが「シグナル」の役割を果たしていることもあります。
ある通信講座のダイレクトメールでは、資料請求をしてもらうためのレスポンスレター内の「申し込み欄」(FAX用)をカットしました。今や多くの人がFAXは利用せずeメールで申し込んでくる。だから、FAX用の記入スペースは不要と考えたのです。
ところが、eメール経由を含め、資料請求数が大きく減ってしまいました。なぜかというと、レスポンスレター内の「申し込み欄」は、このレスポンスレターは「資料を請求するためのものである」というシグナルの役割を果たしていたからなのです。
すなわち、実際にはeメールで資料請求するにしても、申し込み欄は、「資料請求」という行動を呼び起こす「呼びかけ」(call to action)としての働きをしていたのですね。そこで、この通信講座では、すぐに申し込み欄を復活させたそうです。
さて、あなたのビジネスにおいては、ターゲット顧客が好ましいイメージや行動に結びつけてくれる「シグナル」は何でしょうか?(松尾順)
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