インタビュー
» 2012年09月12日 08時05分 UPDATE

仕事をしたら“若者”が見えてきた(前編):「近ごろの若いヤツは……」というが、本当にダメなのか (1/6)

「若い人のことがよく分からない。不安だ」という人も多いのでは。中学生、高校生のころから携帯電話を使い始めた彼らは、いつも何を考えているのだろうか。若者の現状に詳しい博報堂若者生活研究室の原田曜平氏に、話を聞いた。

[土肥義則,Business Media 誠]

 「新入社員が毎年入社してくるけど、彼らの考えていることがよく分からない」と感じている人も多いのではないだろうか。携帯電話を触らせれば自分たちが知らない機能を使いこなしているし、若者言葉についていけないこともあったりする。また渋谷の街をあてもなく歩き回っている若者たちをみると、「近ごろのヤツは……」などと、つい愚痴が出てきそうになる人もいるだろう。

 しかし私たちは本当に、若い人たちのことを理解しているのだろうか。メディアが報じる彼らの情報を見て、大人は“分かった”つもりになっているだけなのかもしれない。

 そこで若者の現状に詳しい、博報堂若者生活研究室の原田曜平氏に分析してもらった。これまで1000人以上の若者にインタビューしてきた原田氏は、彼らのことをどのように見ているのだろうか。前後編でお送りする。聞き手は、Business Media 誠編集部の土肥義則。

携帯電話と若者

yd_harada1.jpg 若者生活研究室の原田曜平さん

土肥:「最近の若いヤツはダメだ!」「なっとらん!」――。このようなことを話す“大人”たちがいるのですが、どのように感じますか?

原田:そういう大人にはこう聞きたいですね。「あなたは、若者のことをどのくらい知っているのですか?」と。

土肥:き、厳しい質問ですね(汗)。

原田:今の若者は中学生、高校生のころから携帯電話を持ち始めました。大人になってから携帯電話を持ち始めた世代とは、ちょっと違った人間関係があるんですよ。

 彼らにとって携帯電話とは「新しい人間との出会いを広げる」ためのツールなんですね。人と知り合うとすぐに互いのSNS内のニックネームを教え合い、知り合ったあともずっとつながりをもつようになります。

 10代の携帯電話の電話帳には、平均93.4人の人間が登録されています(NTTドコモのモバイル社会研究所調べ)。ドイさんも学生だったころを思い出してください。いつでも連絡がとれる友だちが100人もいましたか?

土肥:いません。10人くらいでしたね。年賀状でも100人も出していませんでした。

原田:彼らは初めて会った人でもうまくつながっていくのですが、同時に過去の知り合いとの関係が途切れづらくなっています。かつては中学を卒業して違う地域の高校に通えば、地元の友だちとは徐々に疎遠になっていました。

 でも今の若者は違う。違う高校に通っても、または引っ越しをしても、かつての友だちと携帯メールやSNSなどでつながっているので、関係が途切れにくい。大げさに言えば「絶縁宣言」をしなければ、過去の知り合いとは関係が途切れない状況に置かれています。

土肥:もちろん絶縁宣言なんて簡単にできませんので、知り合いが増えすぎる現象が起きていることになりますね。

原田:その通りです。そして2008年に、日本でスマートフォン「iPhone」が登場しました。その後も各社からスマートフォンが相次いで発売されたわけですが、このことが若者にとって異変を引き起こすことになりました。

 携帯会社によってデータが少し違うのですが、20代でスマホを所有している人は半数近く。100%ケータイ(スマホ以外の携帯電話)の時代から50%スマホになって、今はどのような変化が生まれているのか。そしてスマホ100%になれば、どのようなことになるのか。予測も含めてお話させてください。

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