1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
先週、“パンくん”が女性を襲った。
ステージが終わった直後、10メートル離れたところにいた20歳の女性に向かっていきなり駆け寄り、足首と腰、そして額にかみついた。ドクターヘリで緊急搬送されて全治2週間のケガだったという。
いったい何のことやらという人もいると思うので、説明しておくと、パンくんとは日本テレビ系で放送されている『天才!志村どうぶつ園』などに出演している天才チンパンジーのことだ。「志村けんの隣で、揃いのオーバーオール着て座ってるアレね」と思い出した方も多いだろう。
まるで人間の言葉が分かるかのようなリアクションや、犬の散歩やリュックを背負ってお使いをする愛らしい姿で、お茶の間の人気者であるパンくんは普段、熊本の動物園にいる。
事故があったのはそこで、パンくんはお客さん相手に1日3回程度のショーを行っている。そして、収録があるたびに上京してはスタジオでスポットライトを浴びていたのだ。
そんな超多忙なスケジュールをかれこれ8年近くこなしてきた“人気タレント”の不祥事に対し、テレビ局側はいつもの対応をとった。
事故の詳細が分からないため、出演シーンの放送を当面見合わせます――。
原因不明の“ご乱心”ということにして、ほとぼりが冷めるのを待つというわけだが、案の定というかやはりこの事件にも「裏」がある。
実はこの動物園のパンくんの扱い方については、かねてより専門家が警告を発していたのだ。
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