冒頭で紹介したノンシリコンシャンプーの例で、なぜ筆者が購入に至らなかったのか考えてみます。まず、値段が普通のシャンプーより高かったこと。そして「そもそもノンシリコンって何だっけ?」という理解不足も理由の1つです。
実際にインターネットを使った調査でショッパーの心理を尋ねてみました。結果を見てみると、「思ったより高かった(34%)」が一番多く、買うつもりで行ってみたものの、価格と価値が釣り合わなかったので止めたという人が多いようです。
そのほかの要因では、広告などでのイメージと品質・機能が違うという消費者とのコミュニケーションギャップや、買いたいのに商品が売っていなかったという店舗オペレーション上のチャンスロスも多く挙げられます。
最多数の「思ったより値段が高い」のポイントは、「思ったより」の部分です。つまり、想像していた価格とのギャップ。これは内的参照価格といって、心理的に持っている価格のイメージです。いいかえれば「値ごろ感」ですね。
この「思っていたより高いなぁ」という心理を、「これなら値ごろだね」に変えることで、買う気になっているショッパーを捕まえて、最後の一押しにつなげることができます。
では、「割高」を「値ごろ」に変えるにはどうすればいいのでしょうか? もちろん、値引きするのは最後の最後の手段。それをしないために、(1)比較対象の変更、(2)価値の体感、(3)値ごろ感の数値化という3つの仕掛けが考えられます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング