コラム
» 2012年08月30日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:“カワイイ”が自然を殺す、北海道で見た人間の残酷さ (1/4)

「キタキツネ」といえば、北海道の野生動物のひとつとして有名だ。野生動物なので、本来、人間とはあまり遭遇しないものだが、筆者の相場氏はクルマを運転中に出会った。しかもその姿を見て、違和感を覚えたという。その理由は……。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『震える牛』(小学館)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 今月初旬、新作漫画の取材のため、私は北海道を自家用車で走り回った。ウマい食べ物や広大な自然を満喫する中、1つだけ強烈な違和感にとらわれた瞬間があった。違和感の根源は、キタキツネ。北海道観光のガイドブックなどでお馴染みの野生動物だが、彼らの姿を通して、私は人間の残酷な一面を垣間みた。道民の皆さんには馴染みのある話題かもしれない。だが、1人の旅行者として大きな驚きを感じたので記してみる。

人をおそれぬキタキツネ

 キタキツネと遭遇した日、私は知床半島の宿を発ち、次の目的地である釧路湿原を目指してハンドルを握っていた。北海道北東部の山道を経て、一大観光地である屈斜路湖の周辺を走っていたときだった。道路脇に小動物が見えた。

 自家用車のスピードを緩めると、動物がゆっくりと動きだす。キタキツネの子どもで、豆柴と同じくらいの大きさだ。

 後続車がないことを確認した私は、ハザードランプを灯し、停車した。すると、子狐がどんどん近づいてくる。

yd_aiba1.jpgyd_aiba2.jpg クルマに乗っていると、キタキツネの子どもが近づいてくる

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ