前表の原作形態をまとめたのが次表である。予測はできたことではあるが、マンガ原作が圧倒的に多い。2011年の劇場アニメ作品では51.2%、半分強がマンガ原作である。最近はゲームやライトノベルを原作にするアニメが目立ち、オリジナル作品も増加の兆しを見せてはいるのだが、やはりマンガ原作が圧倒的に多いのだ。
原作形態 | 作品数 | 割合 |
---|---|---|
マンガ | 21 | 51.2% |
オリジナル | 7 | 17.1% |
ゲーム | 5 | 12.2% |
小説 | 5 | 12.2% |
童話 | 3 | 7.3% |
マンガはアニメの原作として、非常に使いやすいソースである。なにしろ、「世界観」「ストーリー」「キャラクター」「カメラショット/コマ割」「美術設定」などがすでに描かれているわけである。また、多くが週刊ペースで生産されているので、量的にも豊富。さらに、すでに人気のあるマンガを原作にすれば、アニメがヒットする確率も高くなる。アニメにとってマンガは最高の原作形態と言える。
こうした事情もあって、日本ではマンガ原作者の力が非常に強い。そのため、いつのころからか映像作品のコピーライツの一番先に原著作者であるマンガ家(+出版社)の名前が入るという現象が見られるようになった。
法律的な見地からすると映像の著作権はその製作者にあり、原作者のマンガ家は原著作者に位置付けられる。従って通常、映像作品のコピーライツに原作者の名前をクレジットする必要はない。マンガ家や出版社が実際に映像を製作しているわけでもないのに作品のコピーライツに名前を連ねるのは常識的に考えて変な話なのだが、日本では当たり前のことになりつつある。
ハリウッドでは原作はあくまで映画を作るための一要素に過ぎないとされているので、原作者がコピーライツに登場することは考えられない。この日本的コピーライツの表示こそ、マンガ原作の位置付けを如実に物語るエピソードであると言えよう。
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