土肥:販売部数が3年近く伸び続けていますが、プレッシャーのようなものは感じていませんか?
柚木:ありますね。「この特集が読者に読まれるのか」「この記事で本当に売れるのか」といったことをいつも考えています(苦笑)。
自分で言うのもなんですが、編集長に就任したころは必死になってがんばっていたんですよ。毎月、150%ほどの力を出していましたが、1年ほどで部数が停滞し始めました。そうした状況が3〜4カ月ほど続き、どうしようかと考えました。結論は「部下に仕事任せよう」でした(笑)。編集部の部員に、私の仕事を10%ずつ振り分けていったんですね。そうすれば、部数が増え始めたんですよ。そこで初めて気づきました。「自分の力はたいしたことないな」と(苦笑)。
雑誌を売りたいという気持ちは、ものすごく強い。編集長に就任したときには「このくらい売れたらいいのになあ」という数字があったのですが、それを超えたらどんどん欲が出てきました。今は34カ月連続で販売部数が伸びていてプレッシャーも感じていますが、どこまで増えるのかなあという楽しみも感じています。
土肥:モノ系を扱う雑誌の編集者って、どういったタイプの人が向いているのでしょうか?
柚木:たぶんこれまでのモノ系雑誌であれば、「モノへの知識」だったのではないでしょうか。ただ、今の時代……知識はあまり関係ないと思っています。
土肥:冒頭でも話されていましたね。柚木さんはご自身のことを「オールラウンドプレイヤー」と分析されていた。また「自分がプロにならなくても、プロの人たちと一緒に仕事ができる職業」だとも。
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