キッズ・ファミリー向けアニメが存在感、日本で一番価値のあるキャラクターは?アニメビジネスの今(1/4 ページ)

» 2012年08月14日 08時00分 公開
[増田弘道,Business Media 誠]

アニメビジネスの今

今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。


 アニメビジネスは、キャラクターライセンス抜きには語れない。

 1920年代に大ヒットした「フィリックス・ザ・キャット」から始まり、1930年代にミッキーマウスやドナルドダックなどのディズニーキャラクターで証明されたライセンスビジネスは映画興行(制作)に次ぐ収益源となり、テレビやビデオの登場後もアニメビジネスの中心に位置し続けた。今回はアニメビジネスを支えるキャラクターライセンスについて述べてみたい。

日本で一番商業的に価値があるキャラクターはアンパンマン

 今、日本で一番商業的に価値があるキャラクターは何か?

 その答えを示してくれるのが次表である。これはCharaBizDATAが毎年発表している「キャラクターランキング100」の、2011年版上位20位をまとめたものだ。どれも人気のキャラクターばかりだが、キャラクターランキング100は商業的な価値に基づいた順位となっている。

「キャラクターランキング100」2011年版上位20位(出典:CharaBizDATA)

 ランキングの推移をみても、そのほとんどは定番もので占められてきたことが分かる。1位のアンパンマンはほとんど不動の1位。ポケットモンスター、ミッキーマウス、ハローキティも前年と同じく2〜4位。5位のONE PIECEは、前年8位からランクアップ。その影響でプリキュアとリラックマ、くまのプーさんが1つずつ順位を落としている。10位のスヌーピーと11位のガンダムは前年と順位が入れ替わっているのが、目立った変化はその程度。大幅に順位が上がったのは前年にランキング上位100位の圏外だった19位のカーズだけである(カーズも定番といえば定番だが)。

 キャラクターランキング100に登場するのは、アニメキャラクターだけではない。オリジナルキャラクター、戦隊ものキャラクター、ゲームキャラクターといったものもあるが、中でもアニメキャラクターは多くの割合を占めている。

 先ほどの表でピンク色に塗っているのが日本のテレビアニメキャラクター、青が海外のアニメキャラクター、緑はオリジナルキャラクター、オレンジが戦隊ものキャラクター、グレーがゲームキャラクターである。

 日本のテレビアニメキャラクターが6、海外のアニメキャラクターが6、オリジナルキャラクターが4、戦隊ものキャラクターが3という構成になっており、日本のアニメキャラクターが優勢であることが分かる。では、日本のアニメキャラクターは実際、どれほどの市場を持っているのだろうか。

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