2年間の世界一周の旅から帰ってきて思ったこと世界一周サムライバックパッカープロジェクト(1/3 ページ)

» 2012年08月07日 08時00分 公開
[太田英基,Business Media 誠]

太田英基(おおた・ひでき)

世界一周中のバックパッカー。2年間で50カ国以上を訪問し、6月末に帰国。若者の外向き志向の底上げのため、海外で働く日本人を訪問したり、旅の中で気付いたことや発見したことをWeb中心に情報発信しながら旅を行った(サムライバックパッカープロジェクト)。学生時代に広告サービス「タダコピ」を立ち上げた元起業家でもあり、根っからの企画屋。Twitterアカウント「@mohideki」では旅の様子をリアルタイムに発信した。

 →目指せ世界一周!「サムライバックパッカープロジェクト」とは?


 Business Media 誠をご覧のみなさま、改めまして(or初めまして)こんにちは! サムライバックパッカープロジェクトの太田英基です。6月末に約2年間に及ぶ世界旅行から帰国して、1カ月が経ちました。約50カ国を旅してきたわけですが、振り返るとアッという間でした。

 Business Media 誠では、サムライバックパッカープロジェクトの記事などを連載。また、旅に出る直前にも、取材を受けました(「目指せ世界一周!『サムライバックパッカープロジェクト』とは?」)。2年前のこの記事の中で、僕は次の3つの目標を掲げました。

その1:世界で活躍している日本人についての情報を発信すること

その2:世界を見ながら修行をし、30歳までに世界で戦える人間になること

その3:“旅”の文化や意識を変えること

 これらについて、1つずつ振り返ってみようと思います。

インドにて

その1:世界で活躍している日本人についての情報を発信すること

 世界で活躍している日本人についての情報を発信することはサムライバックパッカープロジェクトの目的である「若者のグローバル志向・海外志向の底上げ」を達成するにあたっての中核コンテンツ。「若者が内向き化している要因の1つに、外向き志向の先輩たちのロールモデルを知らないからなのではないか?」と着眼したことから発したものでした。

 実際、僕自身も海外で働く日本人のことをサッパリ知りませんでした。そのため、旅先でそういった人たちをしっかり発見・発掘していけるのかという不安が正直ありました。

 日々、次に訪れる国や都市で働いている日本人を探しながら旅をしてきました。探すために利用したのはTwitter、Facebook、海外在住者ブログ集など。日本人がほとんど住んでいない土地に行く時は、カウチサーフィン(後述)というSNSで現地の外国人に「誰か日本人を知らないかい?」と投げかけた時もありました。インターネット上で発見できなさそうな時は現地の日本大使館やJETRO(日本貿易振興機構)、日本食材店の方などに相談しにいったこともあります。

 そのようにして旅の間にお会いした日本人は50カ国で恐らく300人を超えます。本当に色んな人がいました。駐在員の人、大使館やJICA(国際協力機構)の人、現地採用されて日系企業で働いている人、現地企業で働いている人、現地で起業している人……。シリコンバレーのベンチャーキャピタルで働いている人から、南米ボリビアのアンデス山脈沿いに定住して十数年、アルパカの毛で作るセーターのデザイナーさん……。

 例を挙げ出すとキリがないので、Business Media 誠のバックナンバーサムライバックパッカープロジェクトWEBサイトをご参照ください。お会いした中でも、「これぞ!」という方々に協力をお願いして、海外で働く日本人のレポートを書かせてもらいました。そうした試みを支えたのは、「この活動が誰かのキッカケになれば!」という想いです。

 この活動を始めてから何カ月か経ったころ。僕宛てにメールが届きました。内容を読むと、僕の記事をみて、海外に飛び出すことを決めた人からの御礼のメッセージでした。その人はある有名企業で働いている人でした。この時代に日本を飛び出して海外で働くか否か悩んでいたところ、僕の記事を読んで、飛び出すことに決めたという話でした。僕の活動が無駄ではなく、誰かの背中を押すのに役立っているんだと実感できた瞬間です。

 その後も時折、そうした内容のメッセージをいただくようになりました。1人で孤独にボロ宿に泊まっている時には、そういったみなさんのメッセージに励まされました。

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