コラム
» 2012年08月07日 08時02分 UPDATE

窪田順生の時事日想:なぜアメリカは「原爆投下は正しい」と言い張るのか (1/3)

広島は昨日、原爆投下から67年の「原爆の日」を迎えた。一瞬で14万人もの尊い命を奪ったわけだが、なぜアメリカは「原爆投下は正しい」といい続けるのだろうか。その背景にある、アメリカの“論理”に迫ってみた。

[窪田順生,Business Media 誠]

窪田順生氏のプロフィール:

1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。


 広島は昨日、67回目の「原爆の日」を迎えた。原爆の投下を命じたトルーマン元大統領の孫が初めて平和式典に参列をしたと話題になっていた。

 1988年に消費税を導入した竹下登元首相の孫にあるDAIGOに恨みつらみをぶつけたところで不毛なように、この孫にはなんの罪もない。とはいえ、14万人という尊い命を一瞬で消し去った史上最悪の「大量殺戮兵器」を、祖父がつかったことについて、いったいどう考えているのかと読売新聞が尋ねたら、こんな答えが返ってきた。

 「私は米国の教育を受け、原爆投下は早期終戦のためと教わった」

 彼は正直者で、これは大多数の米国人のホンネでもある。世論調査では、有権者の6割が「原爆投下を正しかった」と今も信じて疑わないという。このような考えの根底にも、やはり「教育」がある。例えば、ロサンゼルスの教科書の副読本を訳してみると、こんな内容が書かれていた。

 「南京大虐殺として知られる事件は、戦争の恐ろしさを証明しました。2カ月間に、日本兵は7000人の女性をレイプし、数十万人の非武装兵士や民間人や殺害し、南京市内の3分の1を焼き払いました。その後、日本兵の銃剣の練習台にされたり、機関銃で撃たれて穴に放り込まれるなどして、40万人の中国人が命を奪われました」

 まさしく「悪魔の軍隊」という感じだ。こういう教育をほどこされた子どもたちがオトナになると、日本の悪事を止めるためには広島の14万人や長崎の8万人は、「平和のためには避けられなかった犠牲」という考えになる。

yd_kubota2.jpg ロサンゼルスの教科書の副読本。南京大虐殺で「40万人の中国人が命を奪われました」と書かれている
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