バブルで高騰した“恋愛のレート”は下がる? 婚活の行方を考えるちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

» 2012年08月06日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

婚活の核心は「理想を捨てて、現実を見ましょう」運動

 『若者殺しの時代』を読んで私が感じたのは、「これの揺り戻しが今の“婚活”なんだな」ということでした。

 今、ブームの婚活の核心は「理想を捨てて、現実を見ましょう」運動だと、ちきりんは思ってます。

 「最低でも年収は800万円は欲しいかな……。もちろん、20代なら600万円くらいでもいいけど」という女性に向けて、「そんな男性はいません」と認識させ、「みかけはそこそこでいいから、誠実で話が面白くて優しい人がいい」という女性には、「そんな人で未婚の人はいません」と分からせる。これが“婚活のコア・バリュー”です。

 一方、男性の婚活とは、できるだけ“ついていけるレートを上げる”努力をすることです。「経済力がないから結婚できない」という男性には、「あなたが結婚できないのは、それだけの理由ではありません」と分からせます。

 そして次は婚活スクールで「結婚したい女性なら当然にやっている努力」を、男性にもやるよううながします。「外見に時間とお金を使う」とか、「相手のつまらない話にもニコニコ笑顔で付き合う」ことなどですね。もちろん“手伝う”のではなく“当然の義務として”家事や育児をやる覚悟とスキルくらいは“最低限”身につけていることも大事です(婚活についてもすでに降りている男性がたくさんいそうですが……)。

 つまり、「1980年代に高騰し、1990年代に高値安定してしまった女性の結婚レートを、適正レートまで下げましょう」というのが、今の婚活の本質なんですよね。まさにデフレ時代にぴったりのトレンドです。

 「出会いの機会を増やす」というのも、結局は「市場のコマをできるだけたくさん見ましょう。そうすれば、アナタのレートではディールが成り立たないと理解できるでしょ」ということです。

 婚活で結婚できる女性とは、“十分にレートを落とした”人なのかもしれません。

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