→第1回 なぜ飯島愛の公式ブログはちゃんと管理されているのか?
→第2回 死んだら発動する“お別れサービス”は何年先まで保証する?
→第3回 Twitter社に届いた「亡くなられたユーザーに関するご連絡」、この半年で世界計0件
→第4回(本記事)
インターネット全体で、自分や周囲の人の死に関して準備や整理ができる環境は確実に整いつつあるが、前回までの情報を追う限り、そうした機能やサービスについて利用者の需要はまだ高まっていないようだ。
ただし、まったく求められていない様子でもない。ならば、まだ表に出ていない潜在的な需要はどれくらいの規模なのだろうか? ネットやデジタルコンテンツにおける死に関する、さまざまなサービスの現状をみてみよう。
まずは、第2回「死んだら発動する“お別れサービス”は何年先まで保証する?」でも言及した、オンラインで提供される“お別れ”専門サービスの現状を改めて調べた。
日本国内向けサービスの「ラストメール」と「ウィログ」のユーザー数は、第2回で言及した通り、現在のところは数百〜数千人規模となっている。しかし、海外に目を向けると、数万〜10数万人の会員を抱える有力サービスがいくつかみられる。
回答を得られたうち、最も会員数が多かったのはWilockが提供する「if I die」だ。動画やテキストのお別れメッセージを登録できるFacebook専用アプリで、あらかじめ指定した3人のFaceobookユーザー(信託ユーザー)が登録者の死を確認すると、メッセージを公開状態にできる。
2010年に提供を始めた後、世界各国で評判となり、会員数は2012年7月時点で15万人を超えた。そのうちの2%、つまり3000人超は日本語圏のユーザーだという。そして、これまで会員の死が信託ユーザーに認められて公開状態となった例は2件だ。
サービスの規模が大きいので、ユーザーから問い合わせも多い。特に目立つ要望は「Facebook以外でも使いたい」「お別れメッセージを全体ではなく、プライベートな範囲で公開したい」という2点。Wilockはどちらの声にも対応する準備を進めており、Facebookの枠を超えたサービスは2013年初旬に追加する計画があるという。公開範囲の選択オプションについてはさらに早く、2012年8月中にプレミアムサービスとして提供する予定とのことだ。
同社はif I dieについて「ソーシャルネットワークの自然な進化の上にあるサービスだと考えています。人生に関わるものすべてがソーシャルネットワーク上に存在するように、死も存在しますから」と語る。その進化の過程で必要な機能や選択肢は随時追加していくスタンスのようだ。
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