キャリア女性によるキャリア女性のためのワンピース――「kay me」のスピード感それゆけ! カナモリさん(3/4 ページ)

» 2012年08月02日 14時15分 公開
[金森努,Business Media 誠]

購入率100%!「試着便」で利便性を向上

 「kay me」ブランド販売開始から8カ月後の2012年2月。それまで銀座7丁目のマンションの一室に開いていた予約制サロンの限界が露呈し始めていた。ターゲット顧客であるキャリア女性の買い物時間と運営時間が合わないのである。また、地方からの引き合いも多くなってきた。そこで、顧客の元へ商品数着を届け、気に入った商品を購入してもらうという「無人外商サービス」である試着便サービスを始めた(参照リンク)。米国の靴の通信販売で有名なZappos(参照リンク)などと同様、不要であれば返品自由というしくみだ。サービスを始めてみると、「手持ちの服と合わせて試せる」「家人の意見を聞くことができる」と大好評であり、数着送った商品の中から必ず1着は購入してもらえるという結果になったという。

 ここで注目すべきは、顧客に対して実現しているのは「利便性の向上(Time saving)」だけではないということだ。実は、利便性を上回る「痒いところに手が届く」=「私のニーズに細かく対応してくれている」という「心理的な満足感(Peace of mind)」が実現されているのである。店舗の悪条件を克服するために、顧客の立場で考えたサービスの結果である。

銀座4丁目の常設店舗開設へ

 さらなる顧客利便性の向上のため、7月に銀座4丁目に店舗を開設した。営業時間は20時まで。予約があれば21時まで開店しているという。

本インタビューは銀座常設店で行った
常設店があるのは、銀座の中心エリアにある教文館ビル

 開店して1カ月が経ち、分かってきたことも多い。何といっても顧客の買いやすさが向上した結果、売上が大きく伸長した。それだけではない。店が顧客同士のコミュニケーションの媒介となっている点が大きい。単独客もいるが、グループ来店の顧客も多いという。そこでの顧客とのやりとりの情報は重要な商品開発のヒントになる。現在、さらなる品目数の増産を計画中であるという。

kay meのFacebookぺージ。キャリア女性がターゲットということで、SNSでクチコミを広げているところもポイントだ

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