もちろん、1つの好ましくない事柄で、その企業の商品・サービスの購入を閉ざす方もいらっしゃるでしょう。しかし、ロイヤルカスタマーは、事柄ではなく企業そのものを見つめていますので、1つの好ましくない事柄に対しては「それはそれ」としてとらえ、それに対する企業の対処を見つめています。つまりは、「隠した行為」そのものがバレると、ロイヤルカスタマーはほとんど離れますよね。
好ましくない事柄を隠すことを「リスクマネジメント」と言い張る人も中にはいるようです。人格的な議論はさておき、昔はそれが戦略上もベターだったのかもしれません。なぜなら、隠したことがバレても、拡散する危険性が現代より低かったので。
インターネットで、全世界の人がつながっているこのご時世において……萩原さんが指摘される「評判形成プロセスが可視化されている社会」において……隠そうとする企業風土、正直に・堂々としている企業風土、どちらが「リスクマネジメント」の方法として適切か、明白ではないでしょうか。
経済産業省では事業リスクマネジメントについて「リスクマネジメントを事業価値創造のための包括的・総合的な活動ととらえ、事業リスクを合理的かつ最適な方法で管理してリターンを最大化することで、事業価値を高めることを目的とする」と定義しています。
正直であること、オープンであること、堂々としていること。人格者的な姿勢を持った企業が報われる時代になったんだと思います(いい時代です!)。
加えて、海外を睨んだ展開がフツーになっていますから、米国人を中心に好むキーワード「公平=フェアネス」も意識すると、企業にとって最強の戦略が組み立てられるのではないでしょうか。(寺西隆行)
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