『おおかみこどもの雨と雪』は『コクリコ坂から』の興収を超えられるか?誠 Weekly Access Top10(2012年7月14日〜7月20日)

» 2012年07月27日 11時31分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
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 先週最も読まれた記事は「JR東海社長の我慢も限界? リニア大阪早期開業論に『ありえない!』」。2位は「生活保護の不正受給は簡単? マスコミにダマされてはいけない」、3位は「NHKが、火災ホテルを『ラブホテル』と報じない理由」だった。

『おおかみこどもの雨と雪』は『コクリコ坂から』を超えられるか?

 先日、増田弘道さんの記事「細田守作品からNARUTO、海外勢まで――今夏劇場アニメの行方を占う」で、今夏の注目作として紹介した『おおかみこどもの雨と雪』。

 公開後最初の土日の興行収入は3億6500万円と、GEM Partnersによる事前予想の2億〜3億5000万円を超える好調なスタートを切ったようだ。細田守監督の前作『サマーウォーズ』(最終興行収入17億円)の公開後最初の土日の興行収入は1億3000万円だったので、その倍以上となる(今回は東宝配給のため、上映館数も倍以上違うのだが)。

 ネタばれになるので内容について詳しく触れることは避けるが、試写会で観た増田さんも、初日に観た筆者も「とても良い」という評価で一致している。映画では主人公の大学時代から、親としての子育てまで10数年にわたる期間を描いており、それだけにさまざまな世代が自分ごととしてとらえられる作品となっている。

 “ポスト宮崎駿”の1人として挙げられることも多い細田守監督。昨年同時期(2011年7月16日)に公開された、劇場アニメの雄スタジオジブリの『コクリコ坂から』(宮崎吾朗監督、宮崎駿脚本。最終興行収入44億6000万円)の公開後最初の土日の興行収入は3億9000万円だったので、ほぼ同じ水準。封切時の上映館数は『コクリコ坂から』が457館と、『おおかみこどもの雨と雪』の333館を大きく上回っているのだが、内容の良さで今後どこまで伸ばせるか気になるところである。

 ちなみに映画では、主人公たちの待ち合わせ場所として、一橋大学最寄り駅であるJR国立駅前の菓子店「白十字」が印象的に使われている。

 せっかくなので現地に行くと、店構えはほぼ同じ。映画では店の外観だけ使われているため、店員さんいわく「店内のロケハンなどもなかったので、映画に登場していると聞いてビックリした」ということなのだが、中で宇治金時を食べていると、入口に「映画で使われました!」というようなPOPを貼っていた。もし、『おおかみこどもの雨と雪』が大ヒットすれば、ここも聖地としてにぎわうようになるのかもしれない。

JR国立駅前の「白十字」。映画を観た人は「おお、そのまんまだ」と思うのではないだろうか。でも、待ち合わせには向かない場所な気もする

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