キャリア・ポートレート コンサルティング代表。企業・団体の従業員・職員を対象に「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)を行う。「キャリアの自画像(ポートレート)」を描くマネジメントツールや「レゴブロック」を用いたゲーム研修、就労観の傾向性診断「キャリアMQ」をコア商品とする。プロ論・キャリア論を教えるのではなく、「働くこと・仕事の本質」を理解させ、腹底にジーンと効くプログラムを志向している。
私は自分が行う研修で、いつも次の言葉を紹介している。
「20歳の顔は自然の贈りもの。50歳の顔はあなたの功績」――ココ・シャネル(シャネル創業者)
本当に人の顔は、10年、20年と経つうちに、その人の歴史と内容を表すものになる。偏狭な人は顔つきも偏狭になるし、寛大な人は寛大な顔つきになる。銀行勤めの人は銀行員っぽい顔になってくるし、ベンチャーの人はベンチャーの顔になる。職人の方は否応なしに職人顔になる。漁師一筋、農業一筋の方々は、味わい深き漁師顔、農夫顔になる。また、役人には役人然とした顔というのがあるように思える。
顔は目で見て分かりやすいものだが、目に見えないキャリア(職業人生)でも原則は同じ。10年、20年を経るうちに、確実にその人の内実を表すようになる。
だから、50歳の時点で、どんな仕事に就き、どんな内容のことをやっているか。そしてそれまでにどんなものを世に残してきたかというのは、実は、自分のそれまでの生き方を表明していることにほかならない。
そんな意味を込めて、私はシャネルの言葉をこう言い換えて受講者に伝えている。
「28歳までのキャリアは、勢い。29歳からのキャリアは、意志。そして、50歳でのキャリアは、あなたの人生の作品」
人生の作品とは、仕事上で成し遂げた数々の実績はもちろんそうだが、その人の人格・人間性を含めて考えたいと思う。働くことはその人自身を作り上げる作業でもあるからだ。
20代と30代(正確には上に書いた通り、28〜29歳あたりが重要な境目)とでは、仕事・キャリアに向かう意識をがらりと変えなければならない。自分に問わねばならない問題の質が根本的に変わるからだ。
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