輸入ブランド市場が5年ぶりに拡大、前年比8.3%増の9000億円

» 2012年07月23日 12時33分 公開
[Business Media 誠]

 矢野経済研究所は7月18日、「国内インポートブランド市場に関する調査結果」を発表。2011年の市場規模(小売金額ベース)は前年比8.3%増の9000億円と、5年ぶりに拡大したことが分かった。

 2011年は東日本大震災、円高、ギリシャ危機などの、市場への影響が懸念されていた。しかし、(1)海外ブランド各社の在庫調整による輸入量の増加、(2)海外ブランドの日本市場戦略の再構築、(3)国内の富裕層や比較的お金に余裕のある層の消費の活発化、などにより市場は拡大したという。

 「インポートブランド市場を拡大させてきたのは富裕層や比較的お金に余裕のある層のほか、フォロワー層と呼ばれる流動的な顧客層だった。この10年間でフォロワー層がほぼ市場から退出した結果、2011年の市場規模は本来の中心顧客の消費行動が直接反映された」(矢野経済研究所)

国内インポートブランド市場規模推移(出典:矢野経済研究所)

 商品アイテム別にみると、1割以上の伸びを示したのは前年比17.2%増の1126億円となったメンズウエアと、同13.5%増の1359億円となった靴・履物。これまで全体市場が縮小してきた中で健闘してきたハンドバック・鞄・革小物は同4.0%増の3878億円と、全体平均より増加率は小さくなっていた。

 矢野経済研究所では「欧州で起こっている金融危機は懸念材料。日本の株価にまで影響を及ぼし、個人資産や企業業績に大きく影響するレベルになると、国内市場にも影響が出ると推察する。特により顧客率の高いアパレル製品への影響の度合いが高い」とコメント。2012年の市場規模を前年比0.5%減の8955億円と予測している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.