コラム
» 2012年07月12日 08時01分 UPDATE

相場英雄の時事日想:なぜマスコミは“言葉狩り”記事を掲載するのか (1/3)

自民党の石原伸晃幹事長が発したひと言に対し、あるマスコミが言葉尻を捉えるような書きぶりで報じた。言葉尻をとらえた記事を、なぜマスコミは取り上げるのだろうか。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『震える牛』(小学館)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 先日、Facebookを覗(のぞ)いていると、私の友人が政治関連のニュースに憤っていることに気付いた。永田町の要人が発したひと言に対し、あるメディアが言葉尻を捉えるような書きぶりで報じたからだ。さまざまなSNS、掲示板の類いをチェックしてみると、友人と同様にこのニュースに怒っている読者が少なくなかった。言葉尻をとらえたある種やり過ぎ感のある記事は今後なくなるのか。 

マスコミの姿勢が“炎上”

 私の友人や多くの読者が憤っていたのは、MSN産経ニュースで配信された自民党・石原伸晃幹事長の7月3日の会見記事だ(参照リンク)

 消費税増税関連法案などの国会審議が停滞している理由について、石原氏は「本来なら民主党が『特別委員会をいつまでにつくります』というのがあって然るべきだが、脳死ですね」と述べた。その後「ちょっと言葉は悪いが……」と言ったように、この発言は明らかに口が滑ってしまった典型例だ。

 だが、私の友人、あるいはネット上の多くの読者が反応したのは、記者が締めくくった最後の一文。「……脳死発言は患者の家族らの批判を招く可能性がある」という箇所だ。

 私の友人はFacebookの中で、「言葉狩り以外のなにものでもない」と記していた。友人をはじめ、多くの読者が抱いた印象はこのようなものではないだろうか。

 要人といえども、口が滑ってしまうことはままある。実際問題として、発言者本人が「ちょっと言葉は悪いが……」と釈明している以上、会見の本筋から外れたことをネチネチと書き加える必要はない……。

 この記事が流れたあと、一般企業に勤める友人数人から「なぜこんな揚げ足とりのようなことをマスコミは書くのか」「今後もこうした意地悪な記事は出てくるのか」と尋ねられた。

 私の回答は、こうだった。「今後も揚げ足とり、意地悪な記事は乱発される」。

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