2年連続トップのカルロス・ゴーン氏は2位に、役員報酬トップは誰?

» 2012年07月11日 17時33分 公開
[Business Media 誠]

 東京商工リサーチは7月9日、「役員報酬1億円以上開示企業」調査の結果を発表した。上場企業の2012年3月期決算の開示をもとにしたもので、役員報酬が最も多かったのはカシオ計算機の故・樫尾俊雄元会長で13億3300万円だった。

 この金額は上場企業の役員報酬の個別開示が義務付けられた2010年3月期以降で過去最高額。5月15日に亡くなった樫尾氏は同社創業メンバーの1人で、個人向け電卓「カシオミニ」などの商品を手掛けた。今回の役員報酬のうち、13億1900万円は退職慰労金となっている。

 前年まで2年連続で1位だった日産自動車のカルロス・ゴーン社長兼CEOは、前年比500万円増の9億8700万円で2位にランクダウン。前年2位だったソニーのハワード・ストリンガー氏は同4億1600万円減の4億6600万円で10位だった。

ファナックでは14人が役員報酬1億円以上

 法人別の役員報酬1億円以上の開示対象者数を見ると、最も多かったのはファナックで14人。5384億円の売り上げに対して、当期純利益が1388億円と前年に引き続き好調な業績を維持したことから、前年の6人から大幅に増加。開示制度始まって以来、最多人数となり、常勤監査役の報酬も初めて1億円以上の開示対象となった。

 2位以下は大塚ホールディングスが10人、日産自動車と三菱商事が6人、三井物産、住友商事、ソフトバンク、伊藤忠商事が5人で続いた。

 ちなみに赤字決算(単体決算)で、複数の役員に1億円以上の役員報酬を支払った企業は、日産自動車(6人)、大日本印刷、エイベックス・グループ・ホールディングス(各4人)、バンダイナムコホールディングス、ソニー、セガサミーホールディングス(各3人)など21社。粉飾決算が発覚したオリンパスは赤字で無配だったが、マイケル・ウッドフォード元社長の役員報酬1億3900万円(うち賞与3800万円は労働審判に係る和解契約が締結されたため支払わない予定)が開示された。

 役員報酬1億円以上の個別開示があった企業を産業別にみると、製造業が91社(構成比52.9%)で151人(同51.1%)と最も多かった。次いで、サービス業他が34社(同19.7%)で67人(同22.7%)、卸売業が19社(同11.0%)で37人(同12.5%)と続いた。一方、農・林・漁・鉱業では、3年連続で該当者はいなかった。

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