本当にできないの? 鉄道ファンが笑う、大阪の新ルート杉山淳一の時事日想(1/5 ページ)

» 2012年07月06日 08時01分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 前回は「グランドデザイン・大阪」で明記された「なにわ筋線」を紹介した。この基本構想には、もうひとつの関空―大阪都心アクセスルートとして、四つ橋線と新大阪連絡線が記載されている。地下鉄四つ橋線と新大阪連絡線は別々に挙げられているが、実態はひとつの路線だ。

 大阪市営地下鉄四つ橋線を阪急電鉄の十三駅付近まで延伸し、十三から先は阪急電鉄が新大阪駅まで路線を建設する計画である。十三駅で乗り換えるか、あるいは相互直通運転すれば、四つ橋線沿線の新大阪アクセスが便利になる。

 しかし、この路線を関空アクセスに使うとは、どういう計画だろうか。四つ橋線を関空まで延伸させるつもり……ではない。なんと、南海電鉄に接続して、相互乗り入れしようという構想だ。この詳細は「グランドデザイン・大阪」の前、5月8日に「地下鉄民営化・成長戦略プロジェクトチーム」によって示された。

 この計画を知った鉄道ファンが「無理だ」「橋下市長は鉄道について知識がなさすぎる」と嘲笑しているという。

黒線が現在の地下鉄四つ橋線。青線が新大阪連絡線計画。赤線が南海電鉄接続計画
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