「ごはんに合う」を訴求するお茶のCMが増えているのはなぜ?(1/2 ページ)

» 2012年07月05日 12時55分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 最近、「ごはんに合う」を訴求するお茶のCMが増えていると感じたことはないだろうか。ごはんに合うお茶といえば緑茶やウーロン茶をイメージする人が多いと思うが、最近は紅茶、マテ茶など“緑茶以外の甘くないお茶”でもごはんとの相性の良さをアピールするものが多い。

キリンビバレッジ「午後の紅茶 おいしい無糖」では、蒼井優さんや亀梨和也さんを起用したCMでおにぎりとの相性の良さをアピールしている

 なぜこのような動きがでてきているのだろうか? 本記事では無糖茶飲料の歴史を振り返りつつ、2012年のトレンドについて見ていきたいと思う。

無糖茶飲料市場の歴史

茶系飲料の生産推移

 今ではすっかり当たり前になった無糖茶飲料。しかし1980年頃までの日本ではお茶は急須でいれて飲むものであり、缶やペットボトルに入った冷たいお茶を買うという文化はなかった。この市場が立ち上がったのは1980年代だ。1981年にはサントリー「サントリーウーロン茶」が、1985年には伊藤園「缶入り煎茶」が発売される。缶入り烏龍茶&緑茶という二大ヒット商品によって日本の無糖茶飲料の歴史が始まったと言っていい。

 1995年頃からは、コンビニエンスストアのさらなる店舗数増加、ペットボトル飲料市場の成長といった変化が、無糖茶飲料市場を後押ししていく。特に、2000年発売のキリン「生茶」、2004年発売のサントリー「伊右衛門」といった商品の大ヒットによって、緑茶飲料を中心に、無糖茶飲料市場は2000年以降急成長を遂げた。

 順調に成長してきた無糖茶市場だが、2009年頃から事情が変わり始める。緑茶飲料が伸び悩んできたのだ。「爽健美茶」「十六茶」といったブレンド茶が存在感を増してきたのもこのころといえる。

 右図は1990年以降の茶系飲料生産推移をグラフにまとめたものだ。2010年のデータを見ると、緑茶飲料が半分以上のシェアを占め、残りをブレンド茶、烏龍茶、紅茶が分け合う形になっている。

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