今夏も企業の7割が節電、電力不足は全国的な課題に

» 2012年07月04日 18時39分 公開
[Business Media 誠]

 エアコンなどの影響で電力消費量が大きく増加する夏。福島第一原発事故のために原発の稼働が制限されている中、企業はどのような対策をしているのだろうか。

 帝国データバンクの調査によると、全国の企業に今夏の節電実施状況について尋ねたところ、「実施する」は70.9%と、前年の72.7%より1.8ポイント低くなっていた。地域別にみると、東北(前年比11.2ポイント減)や南関東(同8.8ポイント減)では前年より低くなっていた一方、原発依存率の高かった近畿では前年より同5.0ポイント増となっていた。

今夏の節電の状況(出典:帝国データバンク)

電力不足は全国的な課題に

 節電の内容では、「空調などの温度設定の見直し」が92.5%で断トツ。以下、「消費電力の少ない製品・設備の導入(LEDなど)」が38.0%、「稼働・営業時間の短縮」が11.0%、「夏季休暇の増加」が6.8%で続いた。前年と比較すると、「消費電力の少ない製品・設備の導入(LEDなど)」が6.1ポイント上昇していた。

 ちなみに、節電を実施しない企業の理由では、「節電が不可能な設備・業態だから」(28.7%)と「自社の属する地域では電力不足は生じない」(28.1%)が上位。以下、「節電のメリットがない」が23.5%、「努力目標で強制力はないから」が13.5%、「節電による収益への悪影響を避けたい」が10.9%で続いた。

 「自社の属する地域では電力不足は生じない」の割合は2011年調査では55.7%だったが、今回の調査では28.1%と激減しており、電力不足が全国的な課題となっていることがうかがえる。

 インターネットによる調査で、対象は全国の企業1万589社。調査期間は6月19日と20日。

節電の内容(出典:帝国データバンク)

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