学校を卒業しても就職先がない……。そんな人には何が必要なのかこれからのことがよく分かるコラム(2/4 ページ)

» 2012年07月04日 08時00分 公開
[徳永英子,Business Media 誠]

 確かに、景気が悪くなれば、就職環境も厳しくなるのですが、バブル経済崩壊後の就職が厳しい時代以降、企業は採用基準を下げてまで、採用計画通りに採用しないという「厳選採用」を行っているため、より厳しい状況になっていると思われます。また、大手企業への希望が集中することにより、より厳しさを実感していることもあるでしょう。

 大手企業を希望することが悪いのではなく、明確な意思を持たず、周りが受けるから自分も大手企業を受けてみる、といった“とりあえず”では、多くの応募者を見ている人事には、明確な意思・志望動機がないことは見抜かれてしまいます。

 もう少し視野を広げることにより、従業員規模だけではなく、自分が就職したい企業に出会える可能性が高くなると思います。

 より広く、企業を知るためには、もちろん時間も必要ですが、時間の余裕があるときに、先生や先輩など、いろいろな人に話を聞いたりすることも有効でしょう。

 また、就職活動はしても、途中であきらめてしまったりする人や、就職を希望しながら、就職活動をしなかった人もいます。

 面接を何度も受けたにも関わらず、残念ながら内定をもらえなかった人、エントリーシートを書くにあたり、なかなか自分自身で書くことができず、エントリーシートを出さずじまいのまま、活動を終了してしまった人など、背景は多様なのです。

 以上を踏まえると、新卒無業者となる人の共通点が浮き彫りになりました。どのような会社で働きたいかなど、自分なりの考えや意思をあまり持たないにもかかわらず、限定的にしか活動していなかったり、そもそもの活動量が極端に少なかったりします。また、エンジンがかかるまでに時間を要し、エンジンがかかったころには、採用活動も終盤となったりしている、などの傾向が見られます。

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