どう変わる? 大阪の鉄道網「なにわ筋線」杉山淳一の時事日想(2/5 ページ)

» 2012年06月29日 08時02分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

関空重視政策の鍵となる「なにわ筋線」

 大阪府市統合本部は松井一郎大阪府知事を本部長、橋下徹大阪市長を副本部長とする組織で、副知事、副市長などを本部員とし、元経済企画庁長官の堺屋太一氏や大学教授などが特別顧問、さらに民間シンクタンクから特別参与を迎えた。2011年12月27日に、「大都市制度のあり方など府市共通の課題に関し、行政として協議し、重要事項の方針を決めるために設置した」という。

 同本部が作成した「グランドデザイン・大阪」は、「大阪都」の将来を見据えた基本構想だ。2050年までの長期的視野で大阪都の方向性を国内外に示すという。内容は大局的視野から地域の各論まで詳細にわたる。本稿は「なにわ筋線」のみ触れるが、ぜひ全体の一読をオススメする。大阪に縁がなくても眺めているだけでも楽しい。

 大阪都構想は関空重視であり「グランドデザイン・大阪」でも関空を鍵として国際的に発信する都市を目指している。だから関空と大阪都心を結ぶ鉄道路線が重要になる。しかし、現状ではJR西日本、南海電鉄とも関空アクセス路線の勢いがない。そこで「グランドデザイン・大阪」では、関空アクセス路線を活性化されるために、大阪都心の鉄道整備計画を盛り込んでいる。そのひとつが「なにわ筋線」だ。

「グランドデザイン・大阪」の鉄道ネットワーク構想(出典:大阪府)

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