コラム
» 2012年06月29日 08時02分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:どう変わる? 大阪の鉄道網「なにわ筋線」 (1/5)

大阪府市統合本部が「グランドデザイン・大阪」を発表した。これは「大阪都」の将来を見据えた基本構想。もし実現すれば、関空と大阪市内を結ぶ鉄道網が大きく変わりそうだ。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 大阪と関空を結ぶ鉄道路線としてJR阪和線と南海電鉄がある。どちらも途中駅から関空へ支線を伸ばし、特急列車を走らせている。しかし、両方とも利用者は伸び悩み、関空重視の大阪都構想としてはテコ入れが必要であった。

 JR西日本の阪和線には特急「はるか」が走っている。「はるか」は大阪環状線を経由し、天王寺に停車するが、大阪都心部の梅田地域、難波地域を通らない。主な停車駅は京都・新大阪・天王寺・関西空港だ。大阪駅には停車しない。線路配置の関係で東海道線から大阪環状線に入れないためで、大阪駅の北側の貨物線を経由している。「はるか」は当初、30分に1本の高頻度だったが、現在は日中に1時間あたり1本。朝と夕方は30分間隔だが、これは停車駅を増やし、阪和線の通勤ライナーの意味合いをもたせている。

 南海電鉄は、なんば駅から関空特急「ラピート」を走らせている。アニメから出てきたようなユニークな形で、鉄道ファンや子どもに人気だ。運行開始当初はなんば駅と関空をノンストップ、約30分で結んでいたが、この列車も利用者は伸び悩んだ。なんば駅が地下鉄や近鉄・阪神電鉄の難波駅からやや離れているため、乗り換え客を集めにくい。各地から直行するバスに苦戦を強いられている。利用者を獲得するために停車駅を増やしたが、その結果として所要時間が伸びてしまった。

yd_sugi1.jpgyd_sugi2.jpg 南海電鉄「ラピート」(左)とJR西日本「はるか」(右)

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