コラム
» 2012年06月28日 08時00分 UPDATE

相場英雄の時事日想:“記事コピー”は日常茶飯事……マスコミの根っこに潜む闇とは (1/3)

「記者が記事を書くときに、コピペをするなんて信じられない」……そう感じる読者も多いのでは。しかし、内実はちょっと違う。時事通信社の一連のコピペ騒動を例に、マスコミの内実に紹介する。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『偽装通貨』(東京書籍)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『震える牛』(小学館)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 6月18日、私の古巣である時事通信社が発信元となる騒動が起こったことをご存じの向きも多いはず。同社記者が他社記事をコピーしたことが発覚、続投が決まっていた社長が退任する事態に発展した。

 「記者がコピペするなんてもってのほか」……そう感じる読者が多いと思うが、内実はちょっと違うのだ。古巣の騒動を例に、マスコミの内実に触れてみる。

記事の“コピー”は日常茶飯事

 まず、時事通信社の一連の騒動を振り返ってみよう。問題の発端は、13日に同社が配信した記事だ。

 米ワシントン支局特派員は、米政府が欧州金融機関に対する過去最大の罰金を課すとの記事を書くに当たり、競合社である共同通信社の報道(共同電)を参考にした。

 ここまでは、業界内ではよくある話。

 だが、騒動の原因となった記者は、PCの画面上に共同電をコピー&ペーストした上で記事を書き、「ワシントン共同」のクレジットを削らずにこれをデスクに上げてしまったのだ。

 お粗末なのは、これを担当デスクが見落とし、さらに原稿の最終関門である整理部も通過してしまったこと。

 時事通信社の記事なのに、競合社である「共同」の文字を残したまま配信されるという仰天の事態につながってしまった。

 少なくともデスク、整理部というダブルのチェックが効かなかったことは、お粗末という次元を通り越している。

 時事通信は2011年1月にもスキーのW杯で共同の記事盗用が明らかになっていたこともあり、社長が退かざるを得なくなったわけだ。

yd_media.jpg 記者のコピペ騒動で、時事通信社の社長が辞任することに(写真と本文は関係ありません)
       1|2|3 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -