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» 2012年06月26日 08時01分 UPDATE

アニメビジネスの今:宮崎駿氏は71歳だけど……アニメ監督の高齢化は進んでいるか? (1/4)

日本を代表するアニメ監督である高畑勲氏や宮崎駿氏が70歳を超えても制作を続けていることや、若手の労働環境が厳しいものがあるため高齢化が進んでいると言われるアニメ業界。実際はどうなのか調べてみた。

[増田弘道,Business Media 誠]

アニメビジネスの今

今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。


 6月3日の朝日新聞朝刊に「アニメの制作現場は制作者の高齢化が進んでいる」とあった。ということは若手が育っていないという意味合いも含まれるのだろうが、マスコミがしばしば記事にするその種のレポートは果たして本当なのか。一方では最近若手が育っているという話も聞くので、今回はその検証を行いたい。

「動画枚数1万枚超え」の気合いを入れた作品

 4月にスタートしたアニメ新番組で話題になった作品はさまざまあるが、その中でも気合いの入り方が違うという評判だったのがジャズをテーマにした『坂道のアポロン』と定番作品の主人公を入れ替えた『LUPIN the Third −峰不二子という女−』だ。

 『坂道のアポロン』は『けいおん!』をさらに上回る、テレビアニメ史上最高と思われる超絶ハイクオリティの演奏シーンがすごい。初回のドラム演奏シーンを見て、ここまでやるのかと正直驚いた。

【公式】ノイタミナ「坂道のアポロン」PV

  一方、『LUPIN the Third −峰不二子という女−』は過去のルパンシリーズに対する深いオマージュを持ちながらも、ソリッドで斬新な「新しいルパン」を創り出している点に対する評価が高い。特に初回の衝撃は大変なもので、期待以上の疾走感にぶっ飛んだ人も多いだろう。ともに初回は「動画枚数1万枚超え」(通常のテレビアニメは3000〜3500枚)の熱の入り方であった。

LUPIN the Third −峰不二子という女−

今年35歳の若手女性監督

 『坂道のアポロン』の監督は、海外でも人気の高い『カウボーイビバップ』を手掛けた渡辺信一郎氏。音楽に対する斬新な取り組みには並々ならぬものがあり、打って付けの人材である。ひるがえって『LUPIN the Third −峰不二子という女−』の監督は? と思って調べたら、これが女性でしかも若い!

 ルパンと言えば1964年に創立された伝統あるトムス・エンタテインメント(旧社名:東京ムービー)の看板作品。しかも、今回はあの峰不二子のまぶしいボディが毎話拝観できるという男性にとってはサービス満点の出来映えとなっているのだが、それを監督しているのが監督2作目の若手女性監督なのである。老舗の製作会社としては大胆な起用と言っていい。

 彼女の名前は山本沙代。1977年生まれなので今年35歳。美術大学を卒業して中堅アニメ制作会社のマッドハウス入社。25歳にして早くもテレビアニメ『ドラゴンドライブ』でシリーズの各話演出を任せられ、その後さまざまなシリーズの演出を手がけ、31歳にして『ミチコとハッチン』のシリーズ監督を担当。そして、監督2作目となったのが大抜擢された『LUPIN the Third −峰不二子という女−』である。

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