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» 2012年06月20日 08時00分 UPDATE

世界一周サムライバックパッカープロジェクト:英国で非営利団体を支える仕事を、元バスケ少年の挑戦 (1/3)

英国で日本人を中心とした起業家やビジネスマンが集うコミュニティ「日欧起業家フォーラム」の代表を務める渡邉伸悟さん。非営利団体が活動資金を集める“ファンド・レイジング”に興味を持ったことで英国に来たそうです。

[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト

太田英基(おおた・ひでき)

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世界一周中のバックパッカー。6月8日現在、中国滞在中。1年半で40カ国以上の訪問を予定。若者の外向き志向の底上げのため、海外で働く日本人を訪問したり、旅の中で気付いたことや発見したことをWeb中心に情報発信しながら旅をしている(サムライバックパッカープロジェクト)。学生時代に広告サービス「タダコピ」を立ち上げた元起業家でもあり、根っからの企画屋。Twitterアカウント「@mohideki」では旅の様子をリアルタイムに発信している。

 →目指せ世界一周!「サムライバックパッカープロジェクト」とは?


 2011年夏、僕はロンドンに1カ月ほど滞在していました。ロンドンは日本人が多くいるという話を聞いていたので、和僑会のような起業家やビジネスマンが集うコミュニティがあるのではないかと情報を調べていました。

 すると、知人経由から教えてもらったのが「日欧起業家フォーラム(JEEF)」。早速コンタクトをとって代表の渡邉伸悟さんとお会いしたところ、渡邉さん自身が非常に興味深い方だったので、サムライレポートに協力をお願いすることになりました。

ah_watanabe1.jpg 日欧起業家フォーラム代表の渡邉伸悟さん

非営利団体が資金を集めるための仕事に関心を持つ

――自己紹介とこれまでの歩みについて教えてください。

渡邉 福岡出身で、1984年生まれの28歳です。

 小中学校時代はバスケ少年でした。高校生になり、北九州市で開催された車椅子バスケットの世界選手権で手伝いをしたことがきっかけで社会福祉に興味を持ち、ボランティア活動を始めました。

 全国高校生ボランティア大会への参加、自身のボランティア組織の立ち上げ・運営などを通じて、徐々に自分の興味が社会福祉からNPO・非営利団体などに移っていくのを感じ、大学生に入ってからは「人権問題」「環境問題」「若者の就職問題」と活動の幅が広がっていきました。

 知人に外国人が多い環境だったので大学生の間に留学しておきたいと思い、英国に留学しました。そこで多くの意志と目的のある同年代に出会い、英国のボランティア活動などの現状を知り、「ファンドレイズ・コンサルティング」という仕事に興味を持つことになり、今に至ります。

※ファンドレイジング……民間非営利団体が、活動のための資金を個人、法人、政府などから集める行為のこと。

――現在の仕事や活動の内容を可能な範囲内でご紹介ください。

渡邉 今はロンドンで会計士として働いています。資格取得中です。

 それとは別に日欧起業家フォーラムの代表として、英国や欧州での起業を目指す人のサポート活動を行っています。

――海外で働くという志向をもともとお持ちでしたか?

渡邉 特にありませんでした。自分自身が興味ある分野で最高を目指していけば、自然と必要なフィールドに移っていくだろうという認識です。

――なぜ数ある国の中から英国へ?

渡邉 英国英語が好きなことが1つです。

 イギリスはNPOやNGOについて、慈善組織協会※やセツルメント運動※※のころからチャリティ精神を育んでいた歴史があって、そういった活動が例えば米国よりも広く社会に根付いていることも理由です。

※慈善組織協会……19世紀後半、英国の都市部の貧困問題の解決を意図して設立された団体。
※※セツルメント運動……1880年代の英国で、知識や教養のある学校教育や学生、教会関係者など中級階級の人たちが、都市の貧困地域に移り住み、労働者階級、とりわけ貧困に苦しむ人々に直接触れ、生活をともにすることによって生活状態を改善する運動のこと。

――英国と日本の非営利法人(NPO/NGO)を比較した時に何か違いはありますか?

渡邉 アカウンタビリティ(説明責任)への自覚度は英国の方が圧倒的に高いと思います。寄付金や補助金依存の多い日本と比べると、ファンドレイズを自ら行う分、英国は資金管理や会計の重要性を理解しています。

 プロフェッショナルが働いていることも日本に比べると多いのではないかと思います。例えば、英国の会計士であれば金融業と非営利組織で働いている会計士の給与の差は、日本と比べると小さいと思います。

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