コラム
» 2012年06月12日 08時00分 UPDATE

ビジネスパーソンの「3つの寿命」 (1/2)

平均寿命が世界トップクラスの日本。しかし、ビジネスパーソンは、平均寿命や健康寿命に加え、労働寿命と貢献寿命と成長寿命を意識すべきだと筆者は言う。

[川口雅裕,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール

川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

イニシアチブ・パートナーズ代表。京都大学教育学部卒業後、1988年にリクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。人事部門で組織人事・制度設計・労務管理・採用・教育研修などに携わったのち、経営企画室で広報(メディア対応・IR)および経営企画を担当。2003年より株式会社マングローブ取締役・関西支社長。2010年1月にイニシアチブ・パートナーズを設立。ブログ「関西の人事コンサルタントのブログ


 日本人の平均寿命(2010年)は、男性が79.55歳、女性が86.30歳で、よく知られるように世界トップクラスの長寿国である。一方、生活の質に注目した“健康寿命”という考え方があり、介護を受けたり寝たきりになったりせず、自立して健康的に日常生活を送ることのできる期間を意味するが、2010年の日本人は男性で70.42歳、女性は73.62歳となっている。

 これも世界トップクラスなのは良いのだが、問題は平均寿命と健康寿命との差が男性で約9年、女性で約12年となっており、これは要介護など支援が必要な期間なので、長くなればなるほど社会保障費などの負担が大きくなることだ。

 65歳まで希望者全員を雇用することが、企業に義務付けられるようだ。言わば、定年という“労働寿命”が延ばされようとしている。自分でリタイアの時期を決めることができる人もいるが、多数は法に基づいて定められた就業規則に則る形で終了を迎える。

 定年延長に対して、企業経営者が反対の声を上げているが、これは要介護期間が延びる(平均寿命と健康寿命との差が大きくなる)と社会保障費が増えるのと同じ構図で、組織への貢献が期待できない人たちを雇用する期間が延びると、人件費負担が重くなるからである。つまり企業は(特に反対の声を上げている大企業は)、「60歳ですでに“貢献寿命”が来てしまっているのに、“労働寿命”を延長されては大変だ」と言っている。

 “平均寿命”を操作できない以上、社会保障費の増大を止めるためには、“健康寿命”を延ばすしかない。同じように、“労働寿命”が義務化されるのなら、企業が人件費の増大を止めるためにできることは、“貢献寿命”を延ばすことだ。

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