では結局のところ、何が失敗の原因だったでしょうのか。これは極めてささいな事だと思います。
1人の絶対に裏切らないだろうと思えるAさんを前面に押し出すのは、非常に合理的な行動だったと思います。しかし、信頼関係があったからこそ事実確認を怠ってしまった。そこに原因があります。
Aさんが、どの時点で復学は難しいことに気が付いたか分かりませんが、サービスが現実のものになればなるほど、言い出しにくくなってしまった可能性がある。あるいは「大学にお金を持っていけば退学が取消になる」と本気で思ったのかも知れません。
そんなことはよくある話です。Aさんを責められません。
社会人経験のない学生を使う以上は、大人である主催者の方がその辺のリスクをつぶしておくべきだったと思います。気付くべきタイミングは何度かあったと思います。
さらに加えれば、学生のコミュニティーは恐ろしいですね。個人情報が次々とインターネット上にされされてしまいます。社会人なら「なんだ、うまくやってるな」で済むところでしょうが……。ここも大きな誤算だったのではないでしょうか。
まあ問題はこの2点だけであって、あとは非常に素晴らしい事業でした。私はこういう事業がどんどん生まれていって欲しいと思います。
基本的に困っている人を応援するのは気分がいいことですよね。そもそも応援するというのは、われわれ裏方の開発屋にとっては企業理念そのものなところがあります。一生懸命頑張る企業や人を応援するのが、われわれ受託開発の会社です。
しかしこうした事例が起こるといつも思いますが、成功すればするほど、目立てば目立つほど、批判を受けやすくなるのは日本の良くないところですね。
本来は、新しい試みに対して皆で惜しみない称賛の拍手を与えて、徐々に改善を待つべき。あるいはなかなか改善されないのをチャンスと見て、より良質な後発サービスが出てくるというのがあるべき姿だと思います。
今回のようにフルボッコにしてしまえば、改善するも何もサービス自体が潰れてしまいますし、改善サービスを立ち上げようという起業家も尻込みしてしまうでしょう。
私は、こんな過酷なフィールドで果敢に戦いに挑む日本のベンチャー起業家を本当に尊敬します。先の日本経済新聞の記事では、家入氏たちは「夏ごろまでにリベンジするかも」と言っていますが、モチベーションを維持できますでしょうかね。
私は勝手に期待はしていますが、彼らは別に社会起業家でもないでしょうから、あまり無理をなさらないようにと願うばかりです。
※この記事は、誠ブログの「そろそろ脳内ビジネスの話をしようか:studygiftは火だるまになるほど極悪なサービスだったのか」より転載、編集しています。
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