夢は西欧トップ5の留学支援企業、ベルリンで起業した日本人世界一周サムライバックパッカープロジェクト(3/4 ページ)

» 2012年06月05日 08時00分 公開
[太田英基,世界一周サムライバックパッカープロジェクト]
世界一周サムライバックパッカープロジェクト

始めの一歩さえ踏み出せればその後は何とかなる

――海外で働くこと、生活することの魅力について教えて下さい。

森本 どんな形であれ、海外に「単独で」長期間出てみることは、自身の人生にとって何よりのアドベンチャーだと思います。

 自分が今までやってきたこと、学歴、職歴、家族環境を知っている人はそこには誰もいません。今まで自分が日本で築いてきたと思っていたものは、本当に自身の体に蓄積されたものを除き、そこではすべてリセットされます。

 友達作りから家探し、語学勉強、仕事探しなどのひとつひとつを、すべて自分で何とかやっていかなければなりません。

 ですがそのプロセスを通じて、日本では考えもしなかった可能性や、自分自身でも気が付かなかった自身の才能や能力を見出すことのできる、とても大きなチャンスです。

 もちろん、海外に出る人すべてに成功が約束されているわけではありません。ですが、もし海外に出てみようかどうしようか、真剣に悩んでいるのであれば、間違いなく海外にまず出てみることを強くお勧めします。

――今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。

森本 現時点ではあまりに大きな夢なので、弊社スタッフ以外にはまだ、あまり大っぴらに公表していないのですが、西欧内での優良な留学エージェント、Quality Agentとしてのトップレベル、できることならトップ5入りを、いつか目指したいと思っています。

 Quality Agentというのは、単に年間の生徒数や会社の規模を誇るBig Agentでなく、今ぐらいの少人数スタッフでも実現可能な、より質の高いカウンセラーや優良語学学校の紹介、より良い学校スタッフとのコミュニケーションなどを意味します。今やっていることをさらにより良くしていきたいです。

 また現在、2人の子どもがいるので、仕事に情熱を注ぎつつも、子どもと一緒に過ごせる時間をきちんと確保し、その両方を何とか上手くやっていきたいです。これが結構、想像以上に複雑で、とにかく試行錯誤の繰り返しの毎日で頑張っています。

――最後に、日本の若者にメッセージをお願いします。

森本 カルロス・ゴーンのお祖父さんであるビシャラ・ゴーン氏は、まだ13歳だったころ、たった1人で祖国レバノンからブラジルへ旅立ったと言われます。ベイルートの港から約3カ月の渡航を経てリオデジャネイロに到着した時の持ち物は、リュックサックの中身以外は無一文同然、かつアラビア語しか話せませんでした。

 そんな身で、何とかしてリオデジャネイロからエルドラドへ移り、そこで文字通り、まったくのゼロから新しい人生をスタートさせました。小さな仕事からコツコツ始め、努力に努力を重ねた後、彼が40〜50代になるころには、いくつもの大きな会社の経営者にまでなったそうです(『Shift: Inside Nissan’s Historic Revival』より)。

 そんな彼を、才能に恵まれたアントレプレナーとして、自分とはまったく別の人として見ていただいても結構です。ですが、そんなビシャラ氏の少年時代の勇気と努力、また自分の可能性を心から信じる力に少しでも魅力を感じられたのであればぜひ、自身の秘められた可能性にもう少し目を向け、新しい世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。

 始めの一歩が、一番勇気がいります。でも、その始めの一歩を踏み出すことができれば、次の2歩目、3歩目は意外と上手くいくものですよ。自分の人生や将来に何らかの夢を持っている方は、ぜひそれを大切にして下さい。そしてその夢に向かって、最大限チャレンジしてみて下さい!

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