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“金太郎あめ”車両が、増えた理由：どうなる？　鉄道の未来（おまけ）（6/6 ページ）

» 2012年06月02日 00時01分公開

[土肥義則，Business Media 誠]

大塚：クルーズトレイン「ななつ星in九州」は、お金と時間に余裕がある中高年層が主なターゲットになるのでしょうか。私のように倹約家で、仕事に忙殺されている人間は「お呼びでない」という印象を受けますが（苦笑）、こんな豪華絢爛な車両が入線するだけで駅空間が一気に華やぎそうですね。

　一方、大都市の通勤型電車などに関して言うと、鉄道会社がコスト削減のために耐久性や量産効果を追求することは理解できます。ですが、他方で特急用や観光客向けの車両には飽くなき工夫を凝らしてほしいですね。

杉山：コスト重視にはコスト重視なりのデザインがあって、特別な列車には特別なデザインがある。僕はそれでいいと思う。鉄道は実用面のデザイン力が未発達かもしれませんね。服のデザインで言うと、オーダーメイドのスーツはかっこよく作ってもらえるけれど、ユニクロのデザインだって悪くない。そういう域に鉄道車両のデザインも進化してくれたらいいなーと思います。

長野電鉄の特急で走る旧JR東日本253系の「スノーモンキー」（場所：長野県、撮影：大塚圭一郎）

（「どうなる？　未来の鉄道」対談、終わり）

プロフィール

大塚圭一郎（おおつか・けいいちろう）

　共同通信社編集局経済部記者・携帯電話向けニュースサービス「NEWSmart共同通信」の週刊鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」執筆者。

　1973年4月、東京都生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。97年4月に共同通信社に記者職で入社し、松山支局、大阪支社経済部を経て2006年5月から編集局経済部。国土交通省記者クラブキャップを2年間務めるなど運輸業界の取材経験が長く、鉄道関連記事を多く手掛けている。新幹線300系と100系の12年引退を10年5月に、今春の特急「あさぎり」からの371系引退を昨年10月にそれぞれ他社に先駆けて報道した。休日は、父親以上に熱心な鉄道ファンである息子と一緒に鉄道旅行に出掛けることが多い。共著書に『ジャーナリズムのいま』（みずのわ出版）などがある。

杉山淳一（すぎやま・じゅんいち）

　1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9　公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント：＠Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。

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