大塚:皮肉ですよね。飛行機のチケットよりも到着してからの移動費のほうが高いという、逆転現象が起きていますから。
杉山:調布飛行場にLCCがやって来れば、東海道新幹線が困るはず。地方にある空港に、LCCが次々に就航すれば、鉄道会社は困るでしょうね。
調布飛行場の話でいえば、ここは昔からジェット専用ターミナルを新設しようという話がある。滑走路を伸ばす話もありますが、地元住民が反対していて、実現していません。だけど横田基地を民間にするよりも、調布飛行場を大きくするほうが現実的ではないでしょうか。
もし調布飛行場にLCCが就航すれば、京王線が空港にまで線路を引っ張るかもしれない。当然、シャトルバスは走るでしょうし。実現すれば人の流れが変わってしまうので、特に東海道新幹線は困るでしょう。
大塚:余談ですが、私が卒業した東京外国語大学は調布飛行場の隣接地にあります。私が在学していたときは東京都北区にあったのですが、移転前には航空機の騒音に見舞われる調布飛行場の近くで語学の授業ができるのか? という懸念の声がありました。でも、なんとかなるだろうということで移転しました。もしもLCCを誘致するような動きが現実化すれば、大学は反対するでしょうね(笑)。もちろん地元住民も反対するはず。
海外のLCCは調布飛行場のように、都市部から少し離れた空港で発着しているケースがありますね。例えばライアンエアがドイツで拠点にしているのはフランクフルト・ハーン空港。でもルフトハンザなどの大手航空会社が発着する主力空港のフランクフルト空港からバスで1時間余りかかる。フランクフルトからは約120キロも離れており、むしろルクセンブルクのほうが近いほど(笑)。
もともと米空軍が使っていた空港なので、不便な場所にあるんですよ。ちなみにフランクフルト・ハーン空港と同じ発想で利用されているのが「茨城空港」。春秋航空は上海−茨城の間を飛ばしていますが、彼らは中国で茨城空港のことを「東京北空港」と呼んでいます(笑)。
東京からの距離は約80キロなので、フランクフルト・ハーン空港が「フランクフルト」を呼称していることと比較すれば良心的にさえ映りますが(笑)、それでも「東京の北」とは言えない……(笑)。
杉山:もともとそんな言い回しをしていましたものね。
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