駅ナカビジネスは好調だが、問題もあるどうなる? 鉄道の未来(4)(4/6 ページ)

» 2012年05月23日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

杉山:私も「電車でGO!」のソフトはほとんど持っています。路面電車の旅情編は失敗だったのでは……。ちょっとでもミスをすれば、列車が停まってしまって……。マニアックな人向けだったと思うのですが、マニアの方向性が間違っていたのかもしれない。鉄道マニア向けとして路線数を増やしたところは良かったけれど、ゲームマニア向けに難易度を上げてしまった。

大塚:ですね。汎用性をもたせながら、いかにコアな人たちにお金を落とさせるかは難しいですよね。

鉄道雑誌も工夫を

杉山:鉄道を趣味にしている人たちにお金を落としてもらうことは本当に難しい。なぜこのことを考えているかというと、鉄道雑誌というのは基本的に広告が入っていません。私はコンピュータ雑誌の広告営業をしていたことがありますが、コンピュータ系の雑誌というのは広告でめしを食っていた部分もある。

 雑誌広告のビジネスも難しいんですよ。例えば漫画雑誌が300万部刷っていれば、1ページ1円の経費でも印刷コストで300万円かかってしまう。なので最低でも300万円の広告を取らなければいけない。しかし実際にマンガ雑誌の広告に300万円も出せる広告主は少ない。

 でも鉄道雑誌の部数であれば、広告をきちんととればもうかる可能性がある。でも、広告はほとんど入っていない。入っていても私は業界目線で見てしまう。「あ、これ自社広だな」(運営しているメディアに、自社商品などの広告を掲載すること)とか(笑)。でも鉄道ファンはお金を持っているんですよ。だって1冊1000円もする雑誌を買うんですから。その層に訴求するアイテムがあるのではないでしょうか。

トーマス号の車内にはチビッ子が喜びそうな仕掛けがたくさん。運行時刻は富士急行のWebサイトで公開されている(撮影:杉山淳一)

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