不況を生き抜く、最高のおもてなしはディズニーに学べ(1/2 ページ)

» 2012年05月24日 08時00分 公開
[藤井薫,Business Media 誠]

 おもてなしを大事にし、世界的な評価も高い国は日本――のはずだった。だがその認識が近い将来、変わるかもしれない。

 今、おもてなしをこれまで以上に重要視している国がある。米国だ。誰もがハッピーになれる夢と魔法の王国、ディズニーランドの経営哲学が意外な場所で活用されているのだ。そう、誰もが知りたいと思う、米国が生んだファンタジーの頂点に君臨するあのウォルト・ディズニーのシークレットだ。

ハーゲンダッツやボルボなど、続々と門下生に

 ディズニーランドに行ったことがある人なら、その洗練されたサービスに驚いた経験があるかもしれない。それが気持ちよくウォルト・ディズニーの世界に浸れる重要な要素になっている。

 米国でディズニー流のおもてなしを学んでいるのが、病院や学校、さらにはハーゲンダッツ、ユナイテッド航空、ボルボといった有名企業。また米国最大のスポーツイベントであるスーパーボウル、2010年に南アフリカで開催されたワールドカップなどでもディズニー流がイベントを成功に導いた。

 これらを提供するのが、ウォルト・ディズニーが運営するコンサルタント事業「Disney Institute(ディズニー・インスティチュート)」だ。ディズニー・インスティチュートは、顧客を満足させるディズニー流経営哲学が学べる数々のプログラムを提供している。

 人数やコンサルティングの内容により、1日で完結するワークショップから5日間コースなどが選べ、価格も900ドル(約7万2000円)から6000ドル弱(約48万円)と幅広い。決して安くない受講料にもかかわらず、同社によるとコンサルタント事業の売上は過去3年で2倍に増えているという。

なぜディズニーの技を学ぶのか?

 ディズニーからビジネスの技を学ぼうとする理由は単純明快だ。プロ意識が高く、熱狂的でやる気のあるスタッフを長年育ててきたディズニー流哲学は、さまざまなビジネスシーンに応用できるからだ。

 一見、ディズニーと関係なさそうな病院もその1つ。米国では患者が病院を評価し、スコアをつける制度がある。2012年10月からは患者満足度調査のスコアが病院への診療報酬に影響するようになる。その導入に先立ち、患者満足度の低迷や病院経営のかんばしくない病院がディズニーに助けを求めるケースが増えている。

 確かに、多忙でストレスフルな職場で働くスタッフや病院の対応に不満げな患者を満足させ、健全な経営を保つのには、特別なマジックが必要だろう。

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