1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
先週、新宿2丁目でおこなわれた入学式に行ってきた。
なんてことを周囲に言うと、ゲイっぽい風貌のせいか、「カミングアウトの隠語かな」などと誤解されそうだが、そういうことではない。
「School of H.e.e.T(スクールオブヒート)高等部」(以下、H.e.e.T)という「学校法人八洲学園グループ」の「通信高校サポート校」の開校・入学式のことだ。
多くの人にとってあまり馴染みがないと思われるが、「通信高校サポート校」とは、通信制高校に在籍する生徒に、3年間で卒業できる単位取得や進級などに必要とされる支援を行うところだ。さまざまな事情で高校に通うことができない者でも、定時制高校のように時間の制約がない分、通いやすいというメリットがある。
例えば、「H.e.e.T」で「高校卒業ワンデーコース」を選択すれば、週1日4授業のスクーリングと、年間5日程度の集中スクーリングを組み合わせ 、年間120時間の授業が受講できる。これで授業料は50万円以下(年間、入学金などは別途)だ。
さらに、ほかにも「独立・起業」「飲食ファッション業」に関する専門知識を学ぶことができ、希望者には海外現地提携講師との「外国語会話」など将来の目的に応じたカリキュラムが選べるそうだ。
そんなユニークな学校だけに、その開校式・入学式もかなり「型破り」。この日に入学した「特待生」というのも、高校を中退したギャル系雑誌のモデルや、元カリスマホスト、有名ショップの経営者、オラオラ系ストリートファッション誌の人気モデルなど。最終学歴が中卒というだけで、すでに実力主義の世界に生きる面々が集った。
クロームハーツを腰からぶらさげた若者や、ミニスカートのギャルが入学式で、参列者から祝辞を受けている光景は、まるでドラマかバラエティ番組を見ているかのようだった。
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