通販業界の“マネルの塔”はいつぶっ壊れるのか?(1/3 ページ)

» 2012年05月22日 08時00分 公開
[中村修治,INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:中村修治(なかむら・しゅうじ)

有限会社ペーパーカンパニー、株式会社キナックスホールディングスの代表取締役社長。昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。


 4月10日のことである。マミオン有限会社のブログで紹介していた名立たる通販商品のランディングページ(以下、LP)構成比較図を私のFacebookで紹介したところ、100を超えるシェア&500近い「いいね!」をいただくスマッシュヒットとなった。

 そこに連ねられたコメントは、「みんな同じになるわけが分かった」「購買心理を考えたら同じ構成になるのか」など、通販業界の販売促進の手法が、猫もしゃくしも同じになっていってしまっていることを危惧する声であった。

出典:マミオン有限会社

 そうなのである。今、通販業界では当たった商品や会社の販促手法を真似することが販促戦略の王道となっている。筆者が住む通販企業の多い福岡では、競合商品でありながら、その制作者や仕組みまでもが、全部一緒ということも日常茶飯事。通販会社のみんなが真似て、また真似され、ユーザーから見たら「みんな同じ」に向かっているのである。

 効率の足し算は結局「みんな同じ」である。みんな同じは、「みんな同じじゃねえよ」と心の底では思っているユーザーからいつか飽きられ、そっぽを向かれる羽目になる。

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