「鉄道ファン=良い客じゃない」――この構図にしたのは、誰かどうなる? 鉄道の未来(3)(3/6 ページ)

» 2012年05月21日 08時05分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

鉄道ファンには可処分所得が多い

大塚:私が勤めている会社の話で恐縮ですが、東京・汐留にある共同通信本社「汐留メディアタワー」(3階)で、「汐留鉄道倶楽部コラム展」(4月28日〜6月下旬)を開いています。ここでは弊社の記者が書いたコラム記事や、カメラマンが撮影した写真などを展示しています。入場は無料ですので、読者の皆様もぜひ足を運んでください。

 このコラム展に展示している記事の多くは、「NEWSmart共同通信」という携帯電話向けサービス(月額315円)にある鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」でお届けしてきた内容です。私も「汐留鉄道倶楽部」で書かせていただいているのですが……実は原稿料をもらっていません。

杉山:えーっ!

大塚:ある記者は新幹線のグランクラス(ファーストクラス)に乗ったという記事を書いていますが、これも当然自腹(笑)。

 私は今年2月に長野県に赴いて長野電鉄の笠原甲一社長や地元自治体の方からお話をうかがい、3月にも秋田県の由利高原鉄道に足を運んだのですが、これも自腹(笑)。

杉山:きれいな写真がたくさん掲載されていますが、あれは誰が撮っているのですか?

大塚:執筆陣がそれぞれ撮影していますが、中でも見栄えのする画像を提供しているのはベテランのカメラマンですね。もちろんカメラマンも自腹(笑)。

杉山:えーっ。日本海の写真など、きれいな写真がたくさんありましたよ。

大塚:ですね。流し撮りもするなど、私には足元にも及びませんが。

 杉山さんがご指摘されたように、鉄道ファンには可処分所得が多い人がたくさんいます。由利高原鉄道では、3万円の年会費を支払えば名誉駅長になれる制度をつくりました。

2012年3月末で運行を終え、廃止された長野電鉄屋代線を走る旧営団(現・東京メトロ)3000系の車両(長野県の屋代駅近く、撮影:大塚圭一郎)

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