コラム
» 2012年05月18日 08時02分 UPDATE

杉山淳一の時事日想:電車の車内で見かける「株主優待のご案内」、なぜ? (1/5)

電車やバスの車内で「当社の株主になりませんか」という広告を見かける。交通機関の株主(一定数以上)になれば、乗り放題などのチケットをもらえる。そこで、大手私鉄の株主優待パス取得条件を比較してみた。

[杉山淳一,Business Media 誠]

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 電車やバスに乗っていると「株主優待のご案内」という広告を見かける。株主の特典は優待パス。保有している株数に応じて、無料片道きっぷが何枚かもらえる。株をたくさん持っていれば、定期券式のパスをもらえる。いつでも好きなときに、何回乗ってもタダ。きっぷを買って乗っているお客さんに対して優越感も得られそうだ。

 これはタンス預金を持っているお年寄りにとって魅力的ではないだろうか。自治体が運行する地下鉄やバスにはシルバーパスがあるが、私鉄にはそんな制度がない。だから、預貯金のつもりで鉄道会社の株を持てば、移動の自由が得られるわけだ。そして、鉄道会社も沿線の人々に株主になってもらいたいのだ。

大手私鉄の株主優待制度を比べてみた

 株主優待制度はさまざまな企業が設けているが、鉄道会社の場合は優待きっぷや優待パスがある。各社はさまざまな呼び方をしているが、ここではきっぷ式で1回限りの無料片道優待券を「優待きっぷ」、定期券式を「優待パス」と呼ぶ。このほかに、グループ経営のレジャー施設やホテルの割引券も用意されている。多角経営の私鉄ならではの制度だ。

 鉄道ファンにとってはなんといっても全線無料の「優待パス」が魅力的。そこで、大手私鉄の株主優待制度を比べてみた。何株くらい持てば「優待パス」をゲットできるのだろうか。

 まずは関東から。京王電鉄は3万株以上で電車全線パス1枚、5万7000株以上で電車バス共通の全線優待パス1枚となっている。関東の私鉄はこのように、一定数の株を持つと電車全線優待パスがもらえて、次の段階で電車+バスの優待パスになる会社が多い。京成電鉄、小田急電鉄、相模鉄道、東急電鉄はこのパターンだ。西武鉄道も同様だが、現在は持ち株会社が非上場の西武ホールディングスになっている。

yd_sugi3.jpg 京成電鉄は新スカイライナーの運行で業績向上が期待される
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