“LCC攻勢”が強まれば、鉄道会社はどうなるのかどうなる? 鉄道の未来(2)(5/5 ページ)

» 2012年05月17日 08時02分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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杉山:今、国会で消費税を上げようという動きがあります。もし消費税が上がれば、そのタイミングで在来線の運賃を値上げしてみてはどうでしょうか。「便乗値上げだ」と指摘されれば、それまでなのですが……。

 JRが発足して、今年で25年目です。しかし、この間、一度も運賃が値上げされていません。もし値上げになってもビジネスパーソンからは、あまり反対の声があがらないかもしれない。なぜなら通勤定期のお金は、会社が出してくれるのだから。でも経団連は怒るでしょうね(笑)。

大塚:間違いないです(笑)。「旧国鉄の分割・民営化が実現したのはわれわれ国民が多額の血税を投入したなのに、JRは値上げをして恩を仇で返すのか」と糾弾されれば、JRも立つ瀬がないでしょう。だから特にJR北海道、四国、九州の三島会社は経営が厳しいものの、安易に値上げを振りかざして「パンドラの箱」を開けたくないのでしょうね。

続く

プロフィール

大塚 圭一郎(おおつか・けいいちろう)

 共同通信社編集局経済部記者・携帯電話向けニュースサービス「NEWSmart共同通信」の週刊鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」執筆者。

 1973年4月、東京都生まれ。国立東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒。97年4月に共同通信社に記者職で入社し、松山支局、大阪支社経済部を経て2006年5月から編集局経済部。国土交通省記者クラブキャップを2年間務めるなど運輸業界の取材経験が長く、鉄道関連記事を多く手掛けている。新幹線300系と100系の12年引退を10年5月に、今春の特急「あさぎり」からの371系引退を昨年10月にそれぞれ他社に先駆けて報道した。休日は、父親以上に熱心な鉄道ファンである息子と一緒に鉄道旅行に出掛けることが多い。共著書に『ジャーナリズムのいま』(みずのわ出版)などがある。

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

 1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


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