小さなCDショップがコンビニ内に登場、ローソンHMV表参道店(2/2 ページ)

» 2012年05月14日 22時30分 公開
[須田希美,Business Media 誠]
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音楽商品を置くことで滞在時間が延びる

 ローソンでは、これまで『けいおん!』とのコラボレーションやアーティストのチケット販売など、エンターテインメントに力を入れてきた。そこに、80〜200坪を占める大型店舗に加え、5〜10坪の小型店舗を展開していきたいHMVの思惑が一致したことがコラボの背景となった。原宿の女性がメインターゲットで、流行に敏感な20代女性や、ECサイトでの購入が難しい20歳未満の層を利用客として見込んでいる。

 HMVスポットとしての展開はローソンHMV表参道店で2店目。1号店は大阪・阿倍野にあるQ'sMALL内にあり、2011年4月25日にオープンしてから約1年で1億3000万円を売り上げている。今後の展開としては、横浜でナチュラルローソンとのコラボを視野に入れているという。

ローソンHMV エンタテイメント独自レーベルの「マスタードレコード」の作品も扱っている

 ローソンHMVエンタテイメント新規事業開発本部の大野誠一本部長によると、コンビニの平均滞在時間は2分半。多くの人は買うものが決まっており、買ってすぐに帰ってしまうため、1人当たり300〜400円しか消費しないという。

 一方、HMVのコーナーでは試聴したりCDを眺めたりするため、お客の店舗内の滞在時間は延びると想定。HMVのお客1人当たりの購入額は3000〜4000円であるため、ローソンでの購入意欲を促進させるだろうと大野氏は期待している。今後音楽雑誌を置いたり、HMVスポットの営業時間を変更したりして柔軟に対応していく予定だ。

 「近年CDショップが減り、CDを買いそびれてしまう人が増えている。CDのようなエンタテインメント商材は、欲しい時にパっと買えると買うが、熱が冷めると『買わなくていいや』と考えが変わってしまう。小さいお店だけど利用者の皆さんの生活の導線のそばに寄り添っていくことがローソンの企業方針と合致し、ローソンHMV出店に至った」(大野氏)

ローソンHMVエンタテイメント取締役新規事業開発本部の大野誠一本部長

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