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» 2012年05月14日 08時00分 UPDATE

ソーシャルゲームのすごい仕組み(2):ソーシャルゲームにはどんなものがあるのか? (1/4)

コンプガチャ問題で揺れるソーシャルゲーム業界。しかし、ひと口にソーシャルゲームといっても、そのジャンルや課金のポイントは多様だ。どんなソーシャルゲームがあるのか紹介していこう。

[まつもとあつし,Business Media 誠]

ソーシャルゲームのすごい仕組み

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 この連載は4月10日に発売された『ソーシャルゲームのすごい仕組み』(アスキー新書)の第1章から抜粋、編集したものです。

まつもとあつし氏のプロフィール

ネットベンチャー、出版社、広告代理店などを経て、現在は東京大学大学院情報学環博士課程に在籍。DCM修士。ネットコミュニティーやデジタルコンテンツのビジネス展開を研究しながら、ITを切り口としたコンテンツビジネスの取材・コラム執筆を行う。著書に『生き残るメディア 死ぬメディア出版・映像ビジネスのゆくえ』(アスキー新書)、『スマートデバイスが生む商機見えてきたiPhone/iPad/Android時代のビジネスアプローチ』(インプレスジャパン)、『スマート読書入門』(技術評論社)など。


 一口にソーシャルゲームといっても、その種類はさまざまだ。多様なゲームが提供されているからこそ、幅広いユーザーの支持を集めているともいえるだろう。ソーシャルゲームのほとんどはゲームを無料で開始することができ、一定の段階までは時間をかければクリアすることができる。しかし、その先に進むためには、まず各プラットフォームが用意する仮想通貨を購入し、次にその仮想通貨をゲーム内で何らかのアイテムに替える必要があることが多い。これを月額定額制(例えば1カ月500円で遊び放題、といったようなシステム)などと区別するためにアイテム課金制と呼ぶ。

携帯ミニゲームのソーシャル化【釣り★スタ】

 この後、「ソーシャルゲームを手がける会社」の項目でも詳しく見ていくが、DeNAの展開するモバゲーよりも少し早い2007年に、GREEから本格的なソーシャルゲームが登場した。それが、日本の携帯ソーシャルゲームの草分け的存在ともいえる「釣り★スタ」だ。

ah_game1.jpg 釣り★スタ(出典:GREE)

 もともと、「釣り」はゲームと相性のよいモチーフだった。ソーシャルゲームが登場する以前からも、ファミコンを始めとするさまざまなプラットフォームでゲーム化されてきている。大きな魚を釣る、という誰でも理解できる目的に加え、仕掛けの面白さというアイテム要素、魚との駆け引きといったアクション性、釣った魚をコレクションする要素など、ゲームにしやすい要素が豊富にありながら、ほかのスポーツゲームに比較すると複雑なグラフィックなどを用意しなくてもいいという携帯ゲームの開発に適した要素も持ち合わせている。

 「釣り★スタ」もそういった要素を生かしながら、チーム戦という概念を加えることで、1人で遊ぶ釣りゲームをソーシャルゲームへと進化させた。ゲーム序盤は1人で遊びながらポイントをため、アイテムを購入しつつより大きな獲物がいる釣り場へと進んでいく(このように最初は利用できないゲーム中のステージやアイテムなどが一定の条件をクリアして利用できるようにすることを、「アンロック」すると呼ぶことが多い)。しかし、中盤以降は他のユーザーとチームを組まないと出場できない「大会」が現れ、同じチームのメンバーと協力しながら、他のチームと競争していくことになる。

 この後、紹介する他のソーシャルゲームと比べると、「釣り★スタ」はステータス表示(プレイヤーの強さなどを示すパラメーター)が少ない。この値を上げることを目標とさせるソーシャルゲームが多いなか、異色の味付けともいえるだろう。しかし、チーム戦を行う段階まで達すると「団結力」という表示が現れ、否応なく仲間同士でのアクティビティを意識するようになるという仕組みが用意されている。

 GREEではそれまでも「踊り子クリノッペ」といったペット育成ゲームや、「ハコニワ」という、読んで字の如く、自分の箱庭を飾るゲームを提供し、ほかのユーザーの訪問やアクションによってその成長過程が変わる、というゲームはラインアップしていた。「釣り★スタ」はそこで得た知見や開発ノウハウを惜しみなく注ぎ込み、本格的なソーシャルゲームに昇華させたものといえるだろう。現在では1000万人を超えるユーザーが楽しむまでに成長している。

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